S原:さあ、次のロボ映画はこれ!
Y木:ガンヘビー 未来戦争……タイトルがださすぎる……
(あらすじ)
崩壊した地球を舞台に、強力軍事ロボットと人間の戦いを描いたSFアクション。世界支配を企む富裕層が完成させた最新鋭のロボットに対抗するため、彼らの隠し持つ武器を奪い唯一の中立地域へ逃げ込んだゲリラ軍。しかし、この戦いには裏があり…。
S原:これは、監督がアンジェロ・ロペスです。制作、脚本、撮影、音楽も担当しています。
Y木:へえ、多才やん。
S原:ということは、こいつが『A級戦犯』です。
Y木:やめろ、そういう言い方は。
S原:これはひどかったなあ……(湖の白鳥をながめる)
Y木:まあ、ひどいのはいつものことやん。
S原:下手な映画っていう次元じゃないです。説明まるだしの台詞とか演技がちゃんと出来ていないとか、そういう次元じゃないねん。
Y木:うん?
S原:ゴダールの「勝手にしやがれ」やったと思うけど、ぶつ切りのカットをつなげて、そこにナレーションをかぶせる演出があったやろ?
Y木:あー当時、斬新やと言われたやつな。
S原:正直言って、いまだにヌーベルバーグは理解できないんやけどな(苦笑) この映画でも斬新な演出をしています。
Y木:どんな演出?
S原:映画でナレーションがあることがあるやろ? あれがあるねん。
Y木:ナレーション? 普通やん。
S原:いや、ナレーションをするおじさんがでてくるねん。
Y木:は?
S原:映画本編であらすじを理解させるんじゃなくて、おじさんがストーリーを話すねん。それが映画のあらすじやねん。
Y木:講談師かよ。
S原:すこし話がすすんだら、一旦ストップします。おじさんがでてきて、あらすじを話してくれる。分かりやすいといえばそうなんやけど、こんな演出、エド・ウッドの映画以来に観たわ(笑)
Y木:というか、そもそも映画ではないやん。
S原:ゴダールもびっくりよ、あなた。しかも、そのおじさんがグラサンかけて黒いスーツで、かっちょいい照明があたってスモークまで焚いている。
Y木:昔の香港映画のギャングみたいやな。
S原:それ以外のすべての場面も、チープ感満載やったわ。
Y木:ストーリーは?
S原:あー第4次大戦後の近未来です。富裕層たちがいて、たぶん世界を支配しています。軍事力(ロボ含む)を持っています。それに反発するゲリラ達が彼らを倒しにいきます。
Y木:それで?
S原:歩きます。
Y木:は?
S原:歩くねん。
Y木:誰が。
S原:ゲリラたちが歩くの!
Y木:なんでキレてるねん。
S原:この映画やたらと、登場人物たちが歩くねん。
Y木:ふーん。
S原:監督の趣味やと思うけど、キャラたちが歩いているショットが多い。ただの汚いオジサンが歩いてるだけやで? スタイルの良い女優が歩いてるんちゃうんやで? そんなショットたくさんあっても誰が喜ぶねん?
Y木:おれに聞くなよ。
S原:それで歩いて、変な奴らと交戦したり会話したります。
Y木:それで?
S原:また歩きます。
Y木:歩くのはわかったって!
S原:ほんまに歩くねんって! 嘘やと思うんなら観てよ~。
Y木:観るか、こんな映画! 肝心のロボットはでてくるんか?
S原:ちょっと出ます。それがなあ。敵と味方が途中で戦っているときにでるねんけど、CG(というか特撮)が下手すぎて、間に挟まれてオロオロしているように見えるねん。
Y木:どんなロボットやねん。
S原:しかもあっと言う間にやられた……弱かったなあ、ロボ……(北風にふかれる)
Y木:あーそう。最後は?
S原:ロボを倒しておしまい……やったと思う。
Y木:あーわかった。それでラストシーンは、また歩いて去っていく場面なんやろ?
S原:いや、とくに歩かんかった。
Y木:なんやねん、歩けよ!
S原:座ったままで雑談しておしまいです。
Y木:なんか腹立つな~。
S原:ということで、みなさん。これは全面的に安っぽい映画でした。おじさんが歩くのに萌える人のみおススメします~!