S原:今回はこれ、猿の惑星ではなくて豚の惑星!
Y木:出オチやん……
(あらすじ)
第三次世界大戦の終結から25年後、ブタと人間が融合したハイブリッド生物兵器・マズルが人間を狩って食う恐怖の世界。すご腕の賞金稼ぎ・ロブは姉のラクシャと共に、マズルのリーダー・マザーを倒すべく敵の巣窟・マンハッタンに潜入するが…。
S原:これはタイトル負けしてたわ。
Y木:ほう。
S原:「豚の惑星」というタイトルが良すぎたんやろうな。誰でも、観る前に期待値がマックスまで上がってしまうやん。
Y木:そうか?
S原:小室圭さんも期待してたと思うで。
Y木:小室圭さんは興味ないと思うで。
S原:原題は「BULLETS OF JUSTICE」ね。
Y木:正義の弾丸か。
S原:もしくは正義の鉄槌とかそんな感じかな。ポスターも雰囲気がかなり違うねん。
S原:結論から言うと、こっちのポスターの方が内容に近いです。
Y木:まさか豚がでてこないとか?
S原:さすがに豚はでてきました。観る前は豚との戦争アクション中心かと思ったんやけど、ちょっと違うかった。一応アクションもあるけど、この映画はエロ・グロ・ナンセンスを中心に作られてるねん。結構、お金もかけてるんやけどな。簡単に言うとすごく汚い。
Y木:まあ相手が豚やもんな。
S原:いや人間も汚らしかった。一応SFです。第三次世界大戦で核兵器が使われて、「北斗の拳」みたいな荒廃した地球になってます。人類の70%がすでに死んでます。で、そこでは豚人間マズルが人間より優位にたっています。マズルは豚と人間の融合により生まれたハイブリッドな生き物です。この豚人間が気持ち悪くて、とにかく汚い。
Y木:豚人間と戦うんか?
S原:そうそう。人間がゲリラみたいに豚人間たちと戦っています。豚人間はボバ・フェットみたいにびゅーんって飛んだりします。
Y木:あー、そういうのが撮りたかったんやろな。
S原:映画自体はかなりしっかりと作られてるねんけどな。ひとつずつの場面にも力が入ってるし、ちゃんと荒廃した街もでてくる。この風景はなかなかよかった。CGかもしれんけど。
Y木:豚人間は誰かが改造して作ってるんか? 狂った科学者とか?
S原:いや、マザーと呼ばれる豚人間だけがマズルを産むことが出来るらしい。で、主人公は、そのマザーを仕留めるためにニューヨークに行き……という感じです。
Y木:普通やん。観ようかな、という気にはならんけど。
S原:映画としては完全に「狙った」作りやねん。
Y木:狙ったって、マニア向けってことか?
S原:それもあるけど……たとえば、主人公の姉はなぜかヒゲが生えてるねん。
Y木:え?
S原:綺麗な女性やと思うねんけど、映画をみている間はずっとすごく違和感があって気になって仕方がない。
Y木:なんでヒゲがあるの?
S原:途中で説明しようとする場面があるけど、まわりの音がうるさくて聞こえなくなる。もちろん、そういう「狙い」です。
Y木:わざと説明しない演出か。なるほどな。
S原:しかも姉なのに主人公と激しいチョメチョメします。
Y木:えーなにそれ?
S原:よくわからん。汚さとグロさもかなりのもんやけど、エロ要素もかなり濃い。モザイクもはいりまくりやしな。あーそうそう、女性が裸で寝ころんで、その乳房を手前に映して主人公を映すカットがあるねん。あれは吹き出したわ(笑)
Y木:なんとなくわかってきた。「わざと」ってことやな。
S原:イエス、ザッツライ。あとはジョジョに出てきそうなルックスな男(ラファエル)もでてきます。半裸でパツパツのブリーフでくねくねと動きながらセリフを言います。主人公とランバダを踊ったりするで。
Y木:よくわからんぞ。
S原:豚人間との闘い中心でいったほうが面白かったと思うねんけど、単純なつくりにしたくなかったんかな。後半になって、主人公が突然テレポート出来る設定が出てきて、過去にいったりする。
Y木:テレポート? どういうこと?
S原:とくに説明はなかった。このへんも、あまりストーリーに合っていないような気がする。テレポートがあれば、豚人間との戦いに有利になるはずやけど、大したことしないし。ちょっと思い出したけど、途中でロボットみたいなおじさんもでてくるねん。普通に動くねんけど、ウイーンウイーンって効果音が鳴るだけ。監督やスタッフがニヤニヤしているのが目に浮かぶわ。
Y木:なるほどな。最後は? 豚人間の親玉と戦っておしまい?
S原:いや、親分(マザー)はでてこなかった。最後はなあ。テレポート能力なのか、主人公の夢オチなのかわからんけど、現代社会で主人公が生活している場面でおしまい。意味深な感じもあるけど、たぶん適当な思いつきやと思う。
Y木:そういう映画なんやな。
S原:さあ皆さん。なぜかダニー・トレホもでてきますが、ほとんど活躍しません。それも含めて、いろんな要素が散らばっていて噛み合っていないのが残念ですが、豚の汚さだけは堪能できます。ちょっとおススメしにくい映画ですが、エログロが好きな人のみどうぞ~!