S原:今回は、ジャン・クロード・ヴァンダムですよ、あなた!
Y木:B級アクションスターやな。
(あらすじ)
NATO工作員・ジャックは、国際的女泥棒・ガリーナを護送するため列車に乗り込む。ところが、列車はテロリスト集団に乗っ取られてしまい…。
S原:これ、わりと面白かったで。
Y木:ヴァンダムか。いまだに根強くファンがいるのが、おれには信じられん…
S原:好きな人にはたまらんねんやろうな。チャック・ノリスとかドルフ・ラングレンのファンがいるみたいに(笑)
Y木:こういう人の映画ってどれも一緒なんやろ?肉体アクションというか。
S原:うん(笑)でも、今回は列車の中やろ。だからアクションも短めやねん。ぼくは、延々と肉体バトルが続くパターンは苦手やから、むしろ良かった。
Y木:逆にファンはガッカリちゃうの?
S原:そうみたい。ネットでは評判悪いで。
Y木:これもストーリーは一緒?
S原:ちょっとだけ違う(笑)この映画の日本版キャッチコピーは「暴走特急」+「アウトブレイク」÷「ダイハード」。
Y木:うわー、おもろなさそう…
S原:ハッキリ言うんじゃない(笑)ヴァンダムはNATOの工作員。女泥棒(生物化学兵器を盗んだ)を護送する任務のために列車に乗る。ヴァンダムが工作員だと知らない家族が、なぜかその列車に押しかけるねん。
Y木:あかんやん、仕事のジャマしたら。
S原:そうこうしているうちに、生物兵器を狙うテロリストたちが、列車をハイジャックする。
Y木:またかいな。
S原:生物化学兵器(天然痘をアレンジしたもの)は、超強力で危険なんやけど、テロリストたちがいじってるとパリンって割れる(笑)
Y木:子供か。
S原:空気に拡がって、みんな調子が悪くなる。とくに子供のころに天然痘の予防接種をうけていない世代(子供たち)か感染して、顔にブツブツができる。
Y木:それって「カサンドラクロス」(1977)やん。
S原:はい、一緒です。しかもラストで鉄橋から模型列車が落ちるところまで一緒(笑)この手の映画は、他作品の映像を借りるのがお決まりなんやけど、ちゃんと模型を作ってた。メイキング映像でもちゃんと製作してるのが解説されてます。
Y木:こんな映画のメイキングまでみるとは、おまえはスゴイやつかも…
S原:サンキュー。これを見て思ったんやけど、メイキングで観ると模型とかジオラマとか結構大きいしちゃんと作ってるねん。でも実際の画面で見るとやっぱりしょぼい。撮り方が悪いのか模型では限界があるのか。
Y木:へえ。出来はともかくそれなりにお金はかけてるんや。
S原:一応、ヴァンダム主演やから。でも、珍しく伏線もあるねん。名前とかで犯人がヴァンダムの家族と気づき人質にとる、とか。
Y木:それ、「ダイ・ハード」(1988)と一緒やがな。
S原:はい、一緒です。ラストに奥さんと抱き合ってどこかに行くのも一緒(笑)まあ暴走列車映画としては物足りないけど、列車内アクションと考えれば全体的には悪くない。ラストにどんでん返し的な要素(上司が黒幕?)もあるけど、あまり演出が上手くないから「フーン」って感じで終わるのも愛嬌やな。
Y木:ま、どっちにせよ、おれにはいままで紹介された映画と区別がつかんけどな。
S原:さあ、みなさん。ヴァンダム好きなら当然観てるでしょうが、ぼくのように暴走する列車が好きな人にもおススメです。最近、模型列車が谷底に落ちる映画を観てないなあ…とふと思ったら、これをチョイスしてくださいませ!