S原:今回は、携帯電話サスペンス!
Y木:携帯の形が古い……
(あらすじ)
午前3時30分、ジュリアは携帯電話の呼び出し音で目覚める。届いたビデオメールに映し出されたのは、痛々しく唇を切り、死を覚悟したかのような怯え顔のスーザン。だが彼女が携帯電話の電源を切らないよう言い残すと、画面に突然不気味な男が現れる。
S原:これは、うーん。
Y木:どうなん?
S原:なんというか、うーん、まあ。
Y木:なんやねん。
S原:無茶苦茶ひどくはない、と言い切れないこともない。でも面白いかと問われれば、否としかいいようがありませぬ、と言わざるを得ない、とも言いきれないだろう。
Y木:わかわらんわ、はっきりと言えよ。
S原:まあ、面白くないねんけどな。
Y木:どないやねん。
S原:とにかく観た後に印象に残らない。結構、スプラッター描写もあったはずなんやけど、靄にかかったような映画やった。
Y木:だるいってことか?
S原:うーん、そうやな、だるいな(笑) 全体的に一本調子な上に、演出のキレや緩急がない。単純な話やから、ストーリーや人間関係はわかるねんけど、起承転結とか序破急とか全く意識せずに作ってるんちゃうかなあ。ある日の深夜に、友人(スーザン)から主人公に電話がかかる。ビデオメールで「監禁されているから助けてほしい」「携帯電話の電源を切らないでほしい」「電源が切れたら殺される」「警察に言ったら殺される」という内容の動画が送られてきます。
Y木:ほう。
S原:そこに突然、ドアをノックする音がします。ドアをあけると携帯電話のバッテリーが置いてあります。で、主人公はほかの友人(アレックス)に連絡をして、一緒にスーザンの救出に向かう……という話なんやけどな。簡単に言うと、ほんまにそれだけの映画やねん。
Y木:それだけの映画でもええやん。いわゆるジャンルムービーやろ。
S原:こういう映画では、監禁されている場所をどうやって見つけるか?監禁した犯人をどうやってやっつけるか?(裏をかくか?)がポイントやん。
Y木:そうやな。
S原:で、それに関係する小道具とか伏線とか推理とかが要るやろ。そこに人間関係が絡んでもええし、別の登場人物がでてきて助けたり邪魔したりすることで、サスペンスが盛り上がるはずなのになあ。この映画では、そういう要素は完全排除です。スッキリしすぎ!まるで骨だけのフライドチキンですよ、あなた!
Y木:それはフライドチキンちゃうがな。
S原:そういうことよ。フライドチキンを食べたいのに、骨が出てきたらガッカリするっちゅーねん。いや、骨にから揚げの粉はかかってるんやけどな。なんで、骨をチュパチュパしゃぶらなあかんねん。こっちは、ええ年した大人やど!
Y木:だから、ええ年した大人がこういう映画を観なくてもええの!
S原:電話がかかってくる → なんとなく犯人の場所に行く。これだけやからなあ(ため息)あと、ネタバレになるけど、やっぱりオチがあかんと思う。
Y木:犯人?
S原:うん。誰か知らないガスマスクの人が犯人。ほんまに誰やねん?
Y木:おれに聞くなよ。
S原:結局、スーザンが監禁された場所にいくと、すでにスーザンは死んでるねん。驚いている主人公の後ろに、ぬぼーっと立っているガスマスク男。結局。こいつの目的もわからないままやし、どんな存在なのか説明がないまま。壁に数十人の女性の写真が貼ってあって、顔の部分に傷をつけてるねん。おそらく(いままでに)殺した女性という意味やと思う。つまり犯人は、女性ばかりを狙う大量殺人鬼というわけ。でもさー、よく考えてみてみ? 数十人のヤングな女性が行方不明になってるなら、警察は注意喚起してるやろ?主人公が電話をもらった時点でピンとくるはずやん?もう、前提から崩壊してる(笑) あー、思い出した!この監督、やたらと照明に凝ってる(つもり)ねん。いろんな角度から、変な照明が女優にあたったり、ナイフがきらっと光ったり……これも余計にB級臭かった。だって、照明をあてすぎて主人公の肌がブツブツなのも、わかってしまうねんで!女優やねんから綺麗に撮ったれよ!
Y木:それは肌の手入れをしていない女優が悪いんとちゃうんかな(苦笑)
S原:いやーダメ映画でもええねんけどな、もっと、突っ込みポイントとか、思わず吹き出してしまうポイントが欲しかったなー。というわけで、みなさん。この映画はおススメできません!夜中に友人から「監禁されてる」と電話があれば、すぐに警察に連絡をしてくださいませ~!