あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ブルーランジェリー 青い下着の女」(2019)の巻

S原:これは、まあまあ…かな。

Y木:ほう。

(あらすじ)

一夜限りの、危険なゲームがはじまる男が狙ったその夜の獲物は、あまりにも危険な相手だった青いランジェリーを身に着け、狂気を秘めた魔性の女《ファム・ファタール》そして愛欲の一夜は、恐怖の一夜に姿を変えてゆく・・・

 

Y木:これって、エロチック系なんやろ?

S原:実は、そっちは全然大したことない。ベッドシーンらしきものも数分間しかでません。全体的にはサスペンス映画やな。

Y木:ふーん。話は上のあらすじの通り?

S原:そうやな。主人公(サラ)は夫も子もいいます。今夜は、夫も子供も外出して、家にいません。どちらかというと大人しめの性格ですが、突然、黒髪のサラという女性が目の前に現れ、街に遊びに行くべきと誘ってきます。じつは、この黒髪の女はサラの幻覚で、なにかあるたびに登場してサラにいろいろと話しかけます。この黒髪の女の助言で、青い下着をつけて、その夜にサラは街に遊びに出ることに決めます。バーで飲んでいると早速男(ルイス)が声をかけてきます。

Y木:まあ、典型的なエロチックサスペンスの出だしかな。

S原:ルイスに、彼の家に来るよう誘われて、ついていきます。そこは豪邸でサラはすぐにルイスとチョメチョメを始めますが、途中でルイスとは別の男に変わっていることに気づき驚きます。この男(ケニー)は、この屋敷の持ち主です。

Y木:金持ちのボンボンか。両親は?

S原:いません。海外に住んでるらしい。ルイスは居候している身分やねん。だから、こうやって女性を誘って、ケニーのためにチョメチョメの途中で交代するゲームをしてるのよ。

Y木:悪趣味やなー。

S原:驚いたサラの目の前にまた黒髪の女が現れます。彼女はサラにゴルフクラブを手渡します。サラは、そのクラブでケニーの頭を殴打します。即死です。

Y木:殺してしまうんや。

S原:あっさりと死にます。頭にゴルフクラブが刺さって横たわっている姿はなかなかチャーミングです。ここから、ルイスとサラの駆け引きが始まります。警察を呼ぼうとするサラに、ルイスは「死体を隠せばうまくいく」と説得します。結局、サラとルイスが協力して山の中に死体を埋めます。

Y木:ちょっと待って。サラは、まあレイプされたようなもんやから仕方ないかもしれんけど、ルイスは死んだ奴の友達やろ?平気なんか?

S原:どうも、このルイスという男はモラルがないというか、独特の考え方をする男みたいやねん。友人が死んでも罪悪感とか感じてないのよ。

Y木:うわ、そういう奴なんや。

S原:このへんが評価の分かれるところやろうな。というのも、主人公はすでに精神疾患(分身を幻視している)があるのに、相手のキャラも道徳ゼロの変人という(笑)凝っているともいえるけど、どっちかが普通の人間でないと感情移入しにくいかも。

Y木:ふーん、映画としてはちょっと変わってるな。で、どうなるの?

S原:このあとに、ケニーの両親が帰ってきて、サラとルイスがとっさに誤魔化す。でも、だんだんその嘘も無理になっていく……という展開になります。

Y木:ラストは?

S原:サスペンスなので言いません。けど、伏線も(やや強引だけど)回収されるし、とりあえずはちゃんと終わっていると言えると思う。

Y木:じゃあ、今回のは大失敗作ってことはないんやな。

S原:うん。でも、全然エロチックじゃないから、そっちを期待すると全く面白くないです。この映画は、全体的に映像が冷たくて静かで淡々とすすむねん。僕はここが良かったな。ギャーギャー騒ぐだけの映画はもう食傷気味やから(苦笑)この映画は評価が分かれてるけど、高評価なのも低評価なのもよく分かります。

Y木:なるほど。

S原:というわけで、みなさん。エロを期待しなければ普通に観れます。クールすぎて、サスペンスなのにドキドキしないのが玉にキズですが、期待せずに見れば最後まで飽きないのではないか、と。何かの機会があれば、一度ご覧くださいませ~!