あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

たぶんマイナーな日本映画をまた10本発掘!「BUTTERFLISTA すべては、愛の行為。」(2009)の巻

BUTTERFLISTA すべては、愛の行為。 [DVD]

S原:さあ、今回はすごいですよ~!

Y木:うわ、なにこれ…

 

(あらすじ)

「愛するということ」をテーマに叶姉妹の姉・叶恭子が、自身の持つ“美”“愛”“欲望”の形を映像化した短編オムニバス。本来誰もが自由に選択すべきさまざまな愛の形である調教やSM、ラブトイプレーや3Pなどの行為をショートフィルム6部作でつづる。

 

S原:今回の映画は、あの叶恭子監督作品です。

Y木:おまえ、これを買ったんか……(絶句)

S原:中古店で見かけたときは失笑して、いったんスルーしたのよ。でも、家に帰ってから猛烈に気になりだして、次の休みに買いに行った(笑)よかったわ、まだ売れ残ってて。

Y木:いや地球が破滅するまで、その棚にあったんとちゃう?

S原:これは、オムニバスで6話あります。みなさんも内容が想像がつきにくいと思いますので、とりあえずどんな内容を書いていきます。

Y木:いや、そんな詳しく知らなくてええねんけど。

 

「ジェラシーとパッションと信関係」

叶恭子がチュッパチャップスをなめなめ。イケメン外人の背中や胸をなでまわします。ゆっくりと白いシャツを脱がせます。背後から別のイケメン外人が抱擁。またもう一人のイケメンが抱き寄せます。男性2VS女性1の変則タッグマッチです。往年の猪木と国際プロレスの試合を思い出します。また叶恭子がうっとりと男性の体を愛撫します。下着を触ります。お互いの肌をナデナデします。女性コーラスのBGMが流れ続けます。おしまい。

「心の目で見えること」

赤い着物を着て転がっています。横着してそのかっこうのまま着替えようとして、肌が露出します。それだけです。おしまい。

「一番感じる部分」

今度は女性が叶恭子を愛撫します。お尻を触ったり、背中を撫でたりします。しつこく撫でます。延々と撫でます。そのままチョメチョメします。おしまい。

「薔薇の接吻」

叶恭子が下着姿のまま手首足首を縛られています。そのまま、薔薇でツンツン、胸をモミモミされます。叶恭子は変な顔をします。おしまい。

「彼の望むこと」

屋敷にスーツ姿の男が入っていきます。なぜか男はそのまま黒いブリーフに1枚になって、下着姿の叶恭子に近づきます。叶恭子は椅子に座ったままで、男は脚をナメナメします。男はなぜか鎖でつながれています。叶恭子は、男を虐めます。苛めます。辱めを味わわせます。延々と椅子に座った叶恭子が男をいたぶります。なぜか突然叶恭子にペニスが生えて(?)、男をバックから犯します(そうとしか見えない)。おしまい。

「プレシャスドールの歓び」

叶美香がお風呂に入っています。介護職員のように話しかけながら、叶恭子が体を洗います。叶美香はジッと動きません(人形という設定?)。延々と介護シーンが続いた後、お風呂をでて下着をつけてあげます。座らせます。リハビリです。日本の介護職員の苦労を示唆して、おしまいです。

 

Y木:なんやねん、これ!ストーリーがないやん!

S原:いやー久々にメガトン級の爆弾を喰らったわ。一体、何人の人がこの映画を観たんでしょうねえ……(微笑)

Y木:知るか。というか、こんなん観る前に、絶対にメチャクチャな出来って分かるやん。

S原:まあ、そう怒る前にこの作品の最後のメッセージを聞いてよ。

Y木:どんなん?

 

『人と違うということは決して悪いことではなく…時にはかけがえのない個性でもあるのです。ありのままのあなたでいいのです。愛は曖昧にしか定義できないもの。曖昧であうからこそ豊かなものなのです。愛のファンタジーは、ノータブー。愛すると言うことは自由で気高く美しいこと…………すべては、愛の行為。』

 

Y木:ダーーーーーーー!

S原:なんやねん。

Y木:わけわからんって!なんやねん、これは!

S原:いやはや、本当にこれは良いところがないわ。エピソードの合間に海岸に叶姉妹がいてカメラ目線で踊る場面や、エピソードの前に愛や性に関するメッセージ(?)が流れるねんけど、これも理解でけへんしな。

Y木:やっぱり、あかんがな。要するに叶恭子叶美香のプライベートフィルムなんやろ?

S原:やろうな。でもたぶん叶恭子はチョメチョメに対して一家言あるはずなのよ。AV女優でなく「エロ」をアピールした芸風なんやから、もうちょっと力点みたいなものが欲しかった。同性愛、SM、3Pなどいろんなプレイを楽しむ性愛を単純にみせるだけでは、やっぱり物足りない。

Y木:こんなDVDまで、ちゃんと感想を言うなんて。あの「カブトムシVSクワガタ」のDVD以来ちゃう?

S原:あーあれもひどかった……あーそうそう!この際やから言っておくと、女性のなかに一部勘違いしている人がいると思うのですが、やたらと「エロさ」「セクシーさ」をアピールされると、男ってかえって萎えるんですよ。

Y木:それは……そうかもな。

S原:漫画で言うと、「コブラ」(寺澤武一)でボンテージ風の美女がでてくるのですが、全然やらしくないやろ。でも、「いずみちゃんグラフティー」(金井たつお)のミニスカートには萌えるやん。

Y木:好みや好み!

S原:エロ本で言うと、アメリカのポルノ雑誌「ハスラー」(LFP,Inc社)よりも、ソフトな「ベッピン」「デラべっぴん」(英知出版)のほうが男ごろをそそるやん。

Y木:だから、好みや好み!

S原:そういうわけで、ファン以外はこのDVDを観なくてもよいかと。

Y木:分かってるわ!

S原:でも、10年後くらいに大化けしてこれに高値が付く可能性も………

Y木:ない、絶対にない!