あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

アイデアで勝負!な映画たち「オッズ」(2018)の巻

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(あらすじ)

地下室に設置されたテーブルに、ゲーム・マスターの男性とプレイヤーの女性がいた。彼らは全世界で一斉にスタートする命懸けのアンダーグラウンドゲームの参加者で、女性は一人娘のために参加を決めたのだった。リスクの高いゲームを勝ち抜いた最後の一人には賞金100万ドルが用意されているが、途中で脱落すると賞金は0というルールのもと、第1ラウンドがスタートする・・・

 

今回からの3回分は、ぼく(S原)の1人が語り形式でお送りします。

 

さて、今回の映画は「命がけで勝負をし続けるゲーム」に参加するというアイデアの映画です。今の苦しい生活から脱出するために、主人公が「人生の一発勝負をしちゃるで!」というわけですな。

今まで紹介した中では「13 ザメッティ」(2005)とか「13の選択」(2014)にちょっと近いかも、ですが、あれよりもさらに「ゲーム」に特化していて、映画全編がゲームをしている場面で構成されています。(いきなりゲームをする場面から始まり、ゲームが終了したら映画が終わるという感じ)

 

映画が始まると、主人公(女性)と男性が薄暗い部屋にいます。主人公はゲームの参加者、男性はゲームの進行係です。ゲームに勝ち続けて最後の勝者(優勝)となれば、賞金100万ドルがもらえる。主人公はお金に困っており、どうしてもゲームに勝つ必要があります。世界中で同時に20人が挑んでいると説明されますが、他の参加者の姿はまったく見えません。

第1ラウンドが始まります。「ローソクに手をかざせ」といわれます。他の参加者より長く耐えれば勝ち、というわけです。当然、主人公は耐えます。

第2ラウンドは「木箱の中に足をいれろ」と言われます。箱にはなにか生物(動物?虫?)がいる気配がします。主人公は恐々と足をいれて、これもなんとかクリアして…と続きます。

第3ラウンドはすごい。足の甲にドリルでネジを打ち込まれます。しかも9本!ちなみに3本目で主人公は失神します。このへんから、進行係と主人公のやりとりがあります。こっそりと主人公に鎮痛剤を渡したり、大金をゲットしたら(主人公と進行係が)結婚する話がでてきます。

第4ラウンドは水責め。水槽に顔をつけて耐え続けるゲームです。

第5ラウンドは強烈ですよ。自分の指の切断ですよ、あなた。東映ヤクザ映画で散々観た場面が、まさかこういう映画で展開されるとは思っていなかったです。

そして最終ラウンドは、定番のロシアンルーレットです。

こんな感じで、なんというかSMというかモラルの崩壊というか、忍耐ゲームのようなものが続きます。

 

で、この映画の感想ですが、申し訳ないのですが失敗作だと思います。

まず、主人公に共感しにくいです。本当に命がけでゲームをするように見えません。女優の顔もクラスでいじめっ子側にいるような顔でミスキャストではないでしょうか。(これくらいキツイ感じでないと生き残れないといえばそうですが…)

ゲーム自体は単純でそれは良いと思いますが、展開や主人公の対応に工夫が足りません。というか、主人公がゲーム(拷問)に挑戦 ⇒ なんとかクリア ⇒ 男性が説明したり手当をする ⇒ 主人公がゲーム(拷問)に挑戦⇒ なんとかクリア、、、の繰り返しですからね。例えば、第2ラウンドで主人公が脱落するとは考えにくいので、こういう演出では面白くなりようがないです。

ラストでは、すこしどんでん返し的な展開もありますが、大半の観客は「なんだかなあ…」という感じではないでしょうか(ぼくもそう思いました)。

例えて言うと、居酒屋でそんなに仲良くない人(例えば、仕事場の上司の友人)から、興味もない話題(例えば、スコットランドの動物園の経営問題)を延々と聞かされるような感じとでもいえばわかるでしょうか(わからんか)。

日本では「ライアーゲーム」、韓国では「イカゲーム」のように、単純なゲームな中にもう少し知力というか捻りみたいなものあって、そこが面白く感じると思うんですよ。これではただの「我慢合戦」です。たけし軍団のガンバルマンを見習ってほしいですね。あれは「耐えている姿」で笑いをとってましたから、この映画ではいくら主人公が耐えていても観客は誰も笑いませんのでね。困ったもんです。

そこは百歩譲るとしても、手を火傷したり、足にネジを打ち込まれたり、指を切断したりしても、あんまり主人公が痛そうにしていないんですよねえ……(苦笑)足にネジをドリルで打ち込まれたら悶絶して、その後のゲームに影響しますよね。でも、あっさりと(足の痛みや指がなくなったことを忘れて)ゲームは続きます。要するに、すごく変で違和感だらけなんですよ。なので、主人公とシンクロ出来なくてハラハラドキドキしません。

 

で、これ以上話すとネタバレしてしまうのでここまでにしますが、まあ結論を言うと「観なくても良い映画」ではないか、と…

 

以上、S原がお送りしました!おしまい!