
S原:今回は、たぶん好きな人も多いこの映画!
Y木:あー「マトリックス」の監督のやつやろ。
(あらすじ)
5年の刑期を終えて出所した盗みのプロ・コーキーは、マフィアのビアンキーニのもとに身を寄せた。そこでシーザーの情婦・ヴァイオレットと出会い、女同士で恋に落ちる。ある日、組織の会計士が200万ドルを横領したと知り、ふたりはその金を奪って逃亡を図る。

Y木:いま思い出したけど、むかし一緒に「マトリックス」観たよな。
S原:うん。なぜか旅行先(福岡)で(笑) あなたは全然ダメやったよな。
Y木:もうほとんど覚えていないけど、なんか合わんかったな。
S原:この映画は「マトリックス」の前に撮ったデビュー作なんやけどな。まったく予備知識がなく観て「うひゃーこれはおもろい!」って。
Y木:観てないけど「マトリックス」とは全く違うみたいやな。
S原:そうそう。SFとサスペンスというジャンルが違う以上に、雰囲気も作り方もまったく違う。低予算ながら緻密に計算された演出で、ほとんどマンションの一室だけで話がすすむ。ぼくはマトリックスの1作目はわりと楽しめけど、「バウンド」を観た後やから「なんか繊細な感じがなくなったなあ」と寂しかったわ。そのあと、2作目、3作目とすすむにつれ「お金はかかっているけど、なんか大味じゃね?」みたいな(笑)
Y木:そのあとは、あれやろ。変なお面をかぶった映画とかマッハゴーゴーゴーとか。
S原:あーそうね。観た人が全員記憶から抹消している映画やな(笑)

Y木:で、この女優2人が、おまえの推し?
S原:本当にいいよ、このコンビ! ジーナ・ガーションとジェニファー・ティリーね。中性的な感じと、いかにも悪女って感じの組み合わせ。もーう、ウォシャウスキー姉妹(当時は兄弟)ったらわかってるじゃないの~、ツンツン!
Y木:悪いけど、この2人とも知らんわ。
S原:Wikipediaをみても、2人ともあまり作品には恵まれていないみたい。2人ともいわゆる「美人」じゃないねん。どちらかというと個性的な顔立ちで。それが妙にリアルでええのよな。もっと売れると思ったんやけどなあ。
Y木:へえ。

S原:あらすじは簡単やねん。ジーナ・ガーションが、水道工事に行った部屋のジェニファー・ティリーと関係を持つ。2人はレズビアンやねん。
Y木:ほう、同性愛者か。
S原:ちゃんとベッドシーンもあってレズ同士が惹かれあうという展開に説得力がでています。ジーナ・ガーションは泥棒で、ジェニファー・ティリーはマフィアの愛人ね。マフィアはジョー・パントリアーノで、この人もかなり良いです。で、この男が組織から盗んだ200万ドルを、2人で騙して持ち逃げしようと計画を立てる。さあ生き残るのは誰だ!?

Y木:普通に面白そうやん。
S原:イケます。とくにこの2人にハマればさらに面白く感じるはず。質の高いサスペンスって、「あ、バレそう」とドキドキしたり、「あ、そうやって裏をかくんか~」と感心したり、「ヤバ…ヤバいって!」とハラハラするやん。
Y木:小学生の感想文か。
S原:ほんまにそういう映画やねんって! 本当に映画が好きな奴が作った映画って感じやねん。こういう映画を作る人たちやのに「マトリックス」で大ブレイクしたあとは、ホームランばっかり狙う外人助っ人選手みたいで残念です。

Y木:あんまり知らんけど、「マトリックス」以外でウォシャウスキーってヒットあるの?
S原:公開すると話題にはなるけど、それも段々と厳しくなっているみたい。とくに「マトリックス レザレクションズ」はファンが期待していた分、ガッカリと言う人が多かったみたい。
Y木:「マトリックス レザレクションズ」か。あれ観てないねんなー。おまえ、観たの?
S原:観たよ。
Y木:どうなん?
S原:途中で寝たからわからん。
Y木:おまえなー。

S原:というわけで、みなさん。これは意外な拾い物です。サスペンス好きならぜひ! この2人の組み合わせを楽しんで下さい!
(おまけ:宣伝用スチール写真でしょうか。同性愛者のニュアンスがありますね)


(おまけ:当時のチラシ? あまり映画の雰囲気に合っていないような…)
