
S原:今回はこれ。ファイナルファンタジーじゃなくて、パイナルファンタジー!
Y木:……(呆然)
(あらすじ)
聖なる剣に導かれし者たちの冒険を描いたファンタジー。魔物に牛耳られた世界で、聖剣に導かれた勇者たちが人民を救うべく旅に出る。不思議の森でモンスターを倒して、“乳力”をアップさせた戦士たちが支配者に戦いを挑む。
Y木:ちょっと聞きたいんやけど。
S原:あ、なんでも聞いてや。
Y木:これ、ほんまに買ったんか?
S原:うん。
Y木:タダでもらったとかじゃなくて?
S原:うん。
Y木:自分のお小遣いで買ったの?
S原:うん。
Y木:………おまえ、アホちゃうん?
S原:ふふふ……(不敵に笑う)
Y木:……
S原:きみの言うとおりなのサ!
Y木:はあ……(ため息)
S原:たしかにアホやと思う。大人が観る映画ではないしな。でも、これ中古店で見つけた時にゲットしておかないと、次に出会えるかどうかわからんやん。
Y木:二度と出会えなくても大丈夫ちゃう?
S原:それを言ったらおしまいよ。スピルバーグの名作に感動したとしても、次の日に記憶喪失になったら、その感動はなかったことになるやん。
Y木:違う話にすり替わってるがな!
Y木:はよ映画の話をせえ。
S原:正直に言ってこれは「映画」とは呼びにくい。
Y木:はあ。出来が良くないんやろ。
S原:出来は最低ランクです。これを褒める人はいないと思う。でもそういう問題ではないです。何と言うか、これって映画の演出ではないのよな。
Y木:映画の演出ではないって。じゃあ、何の演出なん?
S原:ズバリ紙芝居です。
Y木:紙芝居……
S原:イエス。動かないカメラの前で、カットが変わるわけでなく、俳優たちがセリフを言います。棒演技・棒立ちの見本やった。でも、演技は正直に言ってOKやねん。演技が下手ではなくて、『棒読みする役』やと解釈すればええやん?
Y木:どんな解釈やねん。お色気要素は?
S原:全然足りません。主人公2人(山田空、愛実)が、森の中で目を覚まします。なぜそこにいるのか記憶がありません。この森では、敵を倒すと願いが叶うということが分かります。仮面ライダーの怪人みたいなのをやっつけるとレベルアップします。
Y木:レベルアップって?
S原:胸のレベルがUPします。
Y木:はあ……(ため息)
S原:だんだん胸が大きくなるというわけなんやけど、山田空と愛実は、はじめから胸が大きいねん。
Y木:なんやねん、それ。
S原:『胸が大きくない女子がだんだん胸のレベルがUPする』というのがメインストーリーなのに、まずそこから崩壊しています。で、肝心の胸が大きくなる場面なんやけどな。
Y木:はあ。
S原:下からムニュって上に持ち上げてるねん。(末原注:もちろん持ち上げてるところはカメラには映っていません)。しかも、大きくなったはずの胸が次のカットでは、普通サイズに戻っています。
Y木:適当やなあ。
S原:あの伝説の「超能力学園Z」を見習って欲しいよな。
Y木:あんな馬鹿な映画、見習わんでええわ。
S原:声優を担当したよっちゃん(野村義男)に感想きいたほうがええやろうか。よっちゃーん! コメント下さーい!
Y木:わかったわかった。もうそっとしておいてやれ。

S原:しかも、ほとんどの場面でワンシーンワンカットやねん。
Y木:まさに紙芝居やな。
Y木:絶対ちやうわ。
S原:一番残念なのは、こういう映画をみるときは、特撮や演技がしょぼくてもええから、やっぱり主演の女子2人がカッコいいところやキュートなところがみたわけやん。
Y木:そうやな。
S原:作り手側は、全くそんなことに興味がないみたいやねん(苦笑) なので、ただ単にカメラのまえで2人が立って会話しているだけ。こういう映画に必須の外連味がなさすぎるのよ。たとえば、敵が襲ってきたら、アクションが出来なくても良いから、シャキーン!とポーズを決めるとか。
Y木:ヲタクは喜びそうやな。
S原:シャキーン!じゃなくて、キラーン!でもええねんけどな。
Y木:どっちでもええわ!
S原:カットも変えてキリっとした表情のカットを挟むとか、電光石火でいつのまにか敵がやられているとか、衣装や髪の毛が風に揺れるとか、いくらでもかっちょいい場面が撮れるはずなのに、そういう系も興味がないみたい。
Y木:ふーん。
S原:ちょっと聞きたいねんけどな。
Y木:どうぞ。
S原:お色気も中途半端、ヒロインアクションも皆無、ファンタジー要素はゼロ……なんで、こんな映画作ったんやろ?
Y木:知らんがな。監督に聞けよ。
S原:というわけでみなさん。これは自主映画レベルです。(本当に自主映画かも?) 友達に「B級映画ってどんな感じなん?」って聞かれたら、「ああ、これを観たら分かるよ」と、このDVDを貸してあげてくださいね~。 あ、そういえば言い忘れてたんやけどな。
Y木:なんやねん。
S原:あんまり巨乳やとかえって興奮せえへんねん。ぼくだけやろか?
Y木:知らんがな。
S原:野村のよっちゃんに聞いた方がええやろか?
Y木:知るか! 好きにせえ!