あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

あなたはどっち?賛否両論映画特集!「まかせてイルか!」(2004)の巻

S原:今回はアニメですよ!

Y木:子供向けアニメが賛否両論あるの?

(あらすじ)

鎌倉近くの湘南海岸で、「イルか屋」という湘南きっての便利屋を営んでいる小学6年生の海(うみ)・空(そら)・碧(あお)の三姉妹。"どんな仕事も断らない!" をモットーに、腕がイイと評判で毎日大忙し。そんなある日、イルか屋始まって以来の大仕事が舞い込んできた。 はたして三姉妹は'仕事キッチリ'完了出来るのか!?

 

S原:これは評価が真っ二つみたい。

Y木:へえ。どこが?

S原:この3人組女子(たぶん姉妹)は、小学校にも行かず、便利屋で生計を立ててるねん。そのうちの一人(緑の髪の子)は、耳が不自由で手話を使う。畑で野菜を作り、残飯をもらい、便利屋で儲けたお金を貯めてます。

Y木:なんで?

S原:ゆくゆくは、無人島を買って「独立国」を作りたいらしい。

Y木:ほう。賛否両論というのは?

S原:否定派は、『義務教育を否定している』『障がい者を安易に登場させている』『(何も知らないはずの)小学生が独立国を目指すというのはヤバい』『小学生が金さえあれば何でも出来ると言い切るのは違和感がある』『世界を分けて考えている、それは古くさい思想だ』『そもそもコメディとして面白くない』とかかな。

Y木:ふーん、肯定派は?

S原:『子供たちが自分自身で考えて独立しているのが偉い』『学校にいけない子供にも勇気を与える』『単純に3人の生き方が楽しい』『聾唖者を自然に(友人の一人として)扱っている』『他のアニメにはない個性がある』とかかな。

Y木:なるほど。3人の家族は?

S原:細かい説明はなかったと思う。たぶん。両親が亡くなったか失踪したか…

Y木:えー結構、ヘビーな設定やん。

S原:普通に観ると、ただの子供向けアニメに見えるねんけどな。絵も可愛いし。でも、裏テーマではなかなか深いかも。

Y木:へえ、おもしろそうやん。

S原:作品としてはまあまあかな。絵は好みはあるけど、丁寧に作られてると思う。個人的には、アニメとして、雑談としての手話をうまく再現していて、ここは高く評価したい。単純に手話をアニメに置き換えるだけでも、かなり苦労したやろうしな。(メイキングで手話とアニメ画像の対比あり)

Y木:どんなストーリー?

S原:成金のオジサンが来て仕事の依頼をしても受けないとか、登校拒否している小学生が主人公たちの自由な生活に共感して、便利屋の手伝いをしたら大変すぎて、心変わりして学校に再登校するとかがメインエピソードかな。25分くらいしかないから、あっという間に終わるけど、ギュッと凝縮しているような濃い時間やった。風景もええねん。江ノ電がのんびりと走る場面も良いしな。

Y木:そうなんや。

S原:これは、大人と子供で感想が別れると思うし、大人でも人によっていろんな意見が出ると思う。

Y木:おまえは、どうやったの?

S原:僕は評価したい。とにもかくにも「考えさせられる題材」を明るくアニメで描く、という心意気を買いたいなあ。

Y木:今回は茶化さずにマジメな感想やん。

S原:さあみなさま。一見ふざけたようにみえるアニメですが、ちょっと見方を変えればすごく深くなる、なかなか面白い作品ですよ。子供と一緒に観るもよし、大人が一人で観るもよし。第2話が出来ていないという事実を考えるとちょっと複雑な気持ちになりますが、一度ご賞味あれ!