Y木:おお、キャプテンか。懐かしいな。
(あらすじ)
墨谷二中に転校してきた谷口タカオ(布施紀行)は野球部に入部して早々、名門の青葉学院にいたことからキャプテンに任命されてしまう。しかし、青葉の野球部には3か月しか在籍していなかった上、球拾い専門の補欠部員だった。初めての練習試合でミスを連発し、ナインに呆れられた谷口は、一念発起して秘密の猛特訓を開始する。
S原:あなた、「キャプテン」は読んだやろ?
Y木:昔、読んだ。あれ面白いよな。
S原:うん。一度、息子に読んでみたら?って渡したら、「絵が下手だから読む気がしない」と言われた。
Y木:絵が下手か。いまの漫画家は絵が上手いから、稚拙にみえるんかな。
S原:うん。でも、今読んでも面白い。とくに、歴代キャプテンが代わっていくやろ?それぞれにキャラが違っていて、ええのよなー。
Y木:これは最初のキャプテンの話やろ?
S原:そうです。谷口、丸井、イガラシの話やな。
Y木:実写版か。ちょっと無理があるような…というか、大体漫画の実写化は失敗するやん。
S原:これは意外とイケます。すごく素直な作りで、この物語にピッタリやねん。役者もええよ。谷口 タカオ (布施紀行)、丸井 ( 小川拓哉)、イガラシ (中西健)の3人ともハマってる。谷口だけはちょっと棒読みっぽいけど、これが朴訥な人柄を表していて良かった。
Y木:話は原作と同じ?
S原:ほぼ同じ。監督は室賀厚やねんけど、知ってる?
Y木:知らん。
S原:B級っぽい拳銃映画とか、アクション好きな中学生男子がそのまま大人になったような人やねんけどな。映画秘宝読者が大好きな感じの映画を撮る人(笑)でも、この映画では変な演出は排除して、本当に無難にまとめてる。男の撮り方はやっぱり上手いけど、女性(女生徒)はあんまり魅力的でなかったかな。でも、こういう実力のある人なんやと感心したわ。
Y木:へえ。無難にまとめてるんや。
S原:うん。普通に面白く観れます。ストーリーを知ってるからかもしれんけど、安心して最後まで楽しめるし、なんと言うか「キャプテン」って普遍的な面白さやん?
Y木:まあな。不満なところはないの?
S原:あります。不満と言うか残念な点かな。漫画では物語のはじめのほうに、谷口が父親と夜中に猛練習する場面があるやん。結構、忠実に再現されてるねんけど、漫画ではたしか文句を言いに行った野球部員が、谷口の秘密特訓をみて心を入れ替える場面があったと思うねん。ここが映画ではあっさりとしていたのが個人的には一番残念やった。あと、イガラシは漫画でもアニメでも独特の口調で話すやん。あれがちょっと生かされていなかった。あとは、谷口が悩んだ末に丸井をレギュラーから外すというエピソードもなくなっていた。ここも残念ポイントかな。
Y木:それくらいなら全然OKやろ。それに文句を言ったらキリがないやろ。
S原:そうやな。あんまり重箱の隅をつつかずに単純に観れば良いと思う。
Y木:話はどのへんまですすむの?
S原:近藤とかは出てこない。あれが実写でどう表現されるのか観てみたかったけど(笑)最後は、イガラシが投手で登板するけど、試合には負けてしまう。これで谷口の代は引退して、次は「丸井キャプテン」になってところでおしまい。
Y木:うまくまとまってるやん。
S原:さあみなさん。なんとなく敬遠気味だった人もいると思いますが、すごく後味の爽やかな佳作です。漫画版を知らない人もぜひどうぞ~!今回はおススメですよ!