あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

翼よ、あれが80年代だ!「レディホーク」(1985)の巻

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S原:今回は一部に根強い人気があるこの作品!

Y木:あー、「レディホーク」かー。懐かしー。

(あらすじ)

悪魔と取引した大司教の呪いをかけられた男女。男(ルトガー・ハウアー)は夜になると狼になり、女(ミシェル・ファイファー)は昼間は鷹の姿に変えられる。両者は日の出と日没の一瞬だけしか人間の姿で会うことができない。ふたりは、スリの若者(マシュー・ブロデリック)の協力を経て、自分たちの呪いを解こうとするが…。

 

S原:じつは昔に友人に「ええ映画やで」っておススメされたんやけどな。なんとなく地味やし食指が動かなくてパスしてたのよ。で、80年代の映画DVDを集めだしたら出会ってしまったという。まさかこの年で、「レディホーク」を観るとは思わんかったわ。

Y木:で、感想は?

S原:なかなか素敵な映画やった。

Y木:たしかに完全におとぎ話やもんな。

S原:いまリメイクしても面白いと思うんやけどな。ヤングには受けへんかな。

Y木:さあ、どうやろ。

S原:でも、これは正直に言うと映画としては大したことないよ。テンポはやや遅いし演出に切れ味はあまりないし。

Y木:監督って誰やったけ?

S原:リチャード・ドナー。「スーパーマン」とか「グーニーズ」の監督やな。

Y木:あー…あんまり面白くなさそう……(小声)

S原:まあ、リチャード・ドナーって、そんなに「上手い」人ではないから。でも、さっきも言ったけど、これはファンタジー映画としては結構良いで。なんというか、味があるしな。

Y木:主人公はマシュー・ブロデリックじゃなかったけ?

S原:マシュー・ブロデリック狂言回しやな。泥棒やねん。捕まった彼が牢屋から脱走します。途中の村で追手につかまり、殺されそうになったところをナバールという騎士が助けてくれます。これがルトガー・ハウアーね。ナバールはいつも鷹を連れています。この鷹が、実は呪いをかけられた女性でナバールの恋人のイザボー。イザボーは太陽が昇っている間は鷹の姿で夜になると人間に戻る。一方、ナバールも呪いにかけられていて、昼間は人間だが、日が沈むと狼になってしまう。つまり永遠に一緒になれないという呪いやな。この映画でのミッシェル・ファイファーは、ため息がでるほど清楚で品がある。これには感心したわ。

Y木:なんで呪いをかけられるの?

S原:大司教がおるんやけど、こいつが悪魔と取り引きして強大な力(魔力)を持つ。大司教はイザボーを手に入れようとするんやけど、イザボーは嫌がってナバールとともに逃げる。そんな2人に呪いをかけてしまう。

Y木:なるほど。逆恨みか。それで?

S原:3日後に“昼のない夜、夜のない昼”がくると言われる。皆既日食のことやねん。そこでナバールとイザボーが人間の夫婦として司教に会えば呪いがとけると聞いて、ナバールたちは城へ向かっていよいよ司教と対決する…こういう感じです。

Y木:へえ、結構面白そう。

S原:このラスト周辺は面白いで。聖堂とか城中のロケ(一部セット?)も力が入って撮影しているのがわかる。でも、最後のシークエンスに行くまではややだるいかな。これ2時間くらいあるねん。ちょっと冗長というか。もうすこしタイトに作ったら、本当に隠れた傑作になったと思うんやけどな。

Y木:そうなんか。じゃあ惜しい映画ってことやな。

S原:あーそういえば、ウィキペディアによると、最初はカート・ラッセルが主役をする予定やったらしい。

Y木:カート・ラッセルか。うーんどうなんやろ。

S原:この映画をみるとルトガー・ハウアーとミッシェル・ファイファーの2人以外では組み合わせ以外には考えられへんけどな。それくらいこの2人はピッタリやと思う。それにカート・ラッセルやったら、眼帯をした騎士という設定に変更したやろうな。

Y木:そりゃ、「ニューヨーク1997」やっちゅーの。ラストは当然ハッピーエンドやろ。

S原:もちろん。こういう映画はそれでええと思う。あとは、景色(ロケ)がええねん。もう広大な山脈を悠々と鷹が飛ぶショットとか、城の中を馬が歩くショットとかすごく良い。これだけでご飯が食べれます(笑)

Y木:まあ風景がいい映画は確かに良いよなあ。

S原:というわけでみなさん。この映画はなかなか良いです。いまのヤング(とくに女子)でも楽しめると思います。絵本を楽しむつもりでぜひ観てくださーい。