S原:今回は、女子がアメフトに挑戦します!
Y木:へえ。
(あらすじ)
中学生のジャスミン(キキ・パーマー)は本を読むことだけが趣味のとても大人しい女の子。そのせいか学校ではイジメに遭っていた。更に父親は家に戻って来ず、母親(タシャ・スミス)がダイナーを切り盛りして生活している。しかし生活が苦しくなり、母親は夜もダイナーを営業させるため、無職の義理の弟カーティス(アイス・キューブ)にジャスミンの面倒をみるように頼む。カーティスはお金目当てに承諾するが、ジャスミンと話しているうちに、自身がアメフト選手だった過去を思い出し、彼女にアメフトを教え始める・・・
S原:あなた、上のあらすじを読んで「ベタやなあ…」と思ったやろ?
Y木:思った。
S原:正解です。
Y木:やっぱり。
S原:でも結構イケます。これは実話らしいんやけどな。要するに、この映画は、いわゆるウェルメイド(良く出来た)な作品で、アメリカ映画の見本のようやった。キャラクターがしっかりと分かりやすくて、起承転結があって、ラストも気持ちよく終わるという。
Y木:まあ、そういう映画もたまにはええやん。おまえは、いつも「ストレートを投げてるつもりやのに、すべて変化球になっているような映画」ばっかり観てるからな。
S原:確かに。すごく観やすかったわ(笑)とにかく良い意味でも悪い意味でも「予定調和」で安心して観れる。ちょっとくらいスマホをいじったり、食器洗いをしても問題ありません。
Y木:まあ大体はわかった。具体的に話をしてくれ。
S原:あらすじは、上の通りやねん。ジャスミンが公園で何気なしにアメフトのボールを投げたことでカーティスが才能を見抜く場面とか、公園でアメフトのプレーを教える場面、女だからとバカにしていたアメフトのコーチが彼女のプレーをみて驚く場面とかは、ベタで展開がわかっていても、やっぱり面白いです。
Y木:そういうのが見どころやろうな。
S原:そうそう。ほかにもなかなか良い味がある場面があります。ふと(失踪した父親のことを思い出して)悲しげな表情をしたジャスミンに対して、カーティスがとっさに話をかえる場面とか、アメフトのユニフォームの着方がわからないとか。あーそうそう、面白い場面があるねん。練習試合で「女のくせに」とバカにしてきた相手チームの選手の股間めがけて、思いっきりボールをあてるねん(笑)
Y木:それはおもろいな。というか反則やろ。
S原:地味でみんなからバカにされていた女が、男ばかりのアメフトチームに挑む。メキメキと頭角を現して、どんどんチームメイト達とも噛み合っていく。試合にも勝っていき……という感じで展開します。個人的に好きな場面もあるねん。失踪した父親がジャスミンに会いに来るねん。女子がアメフト選手なったとニュースになったから会いに来たのよ。カーティスは「いままで放っておいて、いまさら父親気取りか!」って怒るけど、ジャスミンは父親に会って単純に喜ぶ。その横でカーティスは複雑な顔をしている。この場面もベタやけど良かったわ。
Y木:たしかにベタやな。でも、面白いんやろ?それでええやん。
S原:面白いよ。ちょっと惜しいのは、あまりにもサプライズがないことかな。サクサクと話が進んで、あっという間に終わってしまう。スポーツアニメの30分番組みたいやねん。さっき話した父親とのエピソードみたいなことが、もっとあればよかったんやけどな。地味で小さなことでもいいから印象に残るようなやりとりや、セリフがもっとあれば、この映画は「化けた」と思うんやけどな。
Y木:言いたいことはわかる。でも、これはこれでええんちゃうの?というか、おれは観てないから、よくわからんけど(笑)
S原:さあ、みなさん。この映画は小学生でも十分に楽しめます。とくに男性の中でスポーツをしている女子は必見です。頑張れ、スポーツ・ガールズたち!そして、ついでに言うと、ぼくは女子プロレスラーが大好きです。アメフト女子もいいけど、こっちも応援よろしくお願いしまーす!みなさん!いつか女子プロレスの会場で会いましょう!
Y木:オッサンになって、女子プロレスラーの応援……きもー……