あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

スポーツ映画祭り!第9試合「奇跡のロングショット 」(2008)の巻

奇跡のロングショット [DVD]

S原:今回は、女子がアメフトに挑戦します!

Y木:へえ。

(あらすじ)

中学生のジャスミン(キキ・パーマー)は本を読むことだけが趣味のとても大人しい女の子。そのせいか学校ではイジメに遭っていた。更に父親は家に戻って来ず、母親(タシャ・スミス)がダイナーを切り盛りして生活している。しかし生活が苦しくなり、母親は夜もダイナーを営業させるため、無職の義理の弟カーティス(アイス・キューブ)にジャスミンの面倒をみるように頼む。カーティスはお金目当てに承諾するが、ジャスミンと話しているうちに、自身がアメフト選手だった過去を思い出し、彼女にアメフトを教え始める・・・

 

S原:あなた、上のあらすじを読んで「ベタやなあ…」と思ったやろ?

Y木:思った。

S原:正解です。

Y木:やっぱり。

S原:でも結構イケます。これは実話らしいんやけどな。要するに、この映画は、いわゆるウェルメイド(良く出来た)な作品で、アメリカ映画の見本のようやった。キャラクターがしっかりと分かりやすくて、起承転結があって、ラストも気持ちよく終わるという。

Y木:まあ、そういう映画もたまにはええやん。おまえは、いつも「ストレートを投げてるつもりやのに、すべて変化球になっているような映画」ばっかり観てるからな。

S原:確かに。すごく観やすかったわ(笑)とにかく良い意味でも悪い意味でも「予定調和」で安心して観れる。ちょっとくらいスマホをいじったり、食器洗いをしても問題ありません。

Y木:まあ大体はわかった。具体的に話をしてくれ。

S原:あらすじは、上の通りやねん。ジャスミンが公園で何気なしにアメフトのボールを投げたことでカーティスが才能を見抜く場面とか、公園でアメフトのプレーを教える場面、女だからとバカにしていたアメフトのコーチが彼女のプレーをみて驚く場面とかは、ベタで展開がわかっていても、やっぱり面白いです。

Y木:そういうのが見どころやろうな。

S原:そうそう。ほかにもなかなか良い味がある場面があります。ふと(失踪した父親のことを思い出して)悲しげな表情をしたジャスミンに対して、カーティスがとっさに話をかえる場面とか、アメフトのユニフォームの着方がわからないとか。あーそうそう、面白い場面があるねん。練習試合で「女のくせに」とバカにしてきた相手チームの選手の股間めがけて、思いっきりボールをあてるねん(笑)

Y木:それはおもろいな。というか反則やろ。

S原:地味でみんなからバカにされていた女が、男ばかりのアメフトチームに挑む。メキメキと頭角を現して、どんどんチームメイト達とも噛み合っていく。試合にも勝っていき……という感じで展開します。個人的に好きな場面もあるねん。失踪した父親がジャスミンに会いに来るねん。女子がアメフト選手なったとニュースになったから会いに来たのよ。カーティスは「いままで放っておいて、いまさら父親気取りか!」って怒るけど、ジャスミンは父親に会って単純に喜ぶ。その横でカーティスは複雑な顔をしている。この場面もベタやけど良かったわ。

Y木:たしかにベタやな。でも、面白いんやろ?それでええやん。

S原:面白いよ。ちょっと惜しいのは、あまりにもサプライズがないことかな。サクサクと話が進んで、あっという間に終わってしまう。スポーツアニメの30分番組みたいやねん。さっき話した父親とのエピソードみたいなことが、もっとあればよかったんやけどな。地味で小さなことでもいいから印象に残るようなやりとりや、セリフがもっとあれば、この映画は「化けた」と思うんやけどな。

Y木:言いたいことはわかる。でも、これはこれでええんちゃうの?というか、おれは観てないから、よくわからんけど(笑)

S原:さあ、みなさん。この映画は小学生でも十分に楽しめます。とくに男性の中でスポーツをしている女子は必見です。頑張れ、スポーツ・ガールズたち!そして、ついでに言うと、ぼくは女子プロレスラーが大好きです。アメフト女子もいいけど、こっちも応援よろしくお願いしまーす!みなさん!いつか女子プロレスの会場で会いましょう!

Y木:オッサンになって、女子プロレスラーの応援……きもー……