あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「スピーシーズ4 新種覚醒 」(2007)の巻

スピーシーズ4 新種覚醒 [DVD]

S原:さあ今回は、スピーシーズ・シリーズの第4弾!

Y木:こういうのって、ほんまに好きな人が多いんやなあ…

(あらすじ)

自分が人間とエイリアンの遺伝子配合で作られた生命体だと知らずにいた女性が、ある時突然その本能に目覚め、人々に襲いかかるさまを描いたSFホラーのシリーズ第4弾。

 

S原:これはなかなか面白かった。シリーズとしては、「スピーシーズ 種の起源」(1995)が第1作ね。あなた、観たことある?

Y木:たしか観たはず。エイリアンなのにやたらと裸になるやつやろ(苦笑)

S原:そうそう。ああいうちょいエロSF映画が好きな人はおるから。ぼくが選ぶちょいエロSFは、「スペースバンパイア」(1985)(女性宇宙人が全裸で歩きます)、「ゼイリブ」(1988)(ラストで宇宙人とエッチしていて驚きます)、「悪魔の受胎」(1981)(土偶にチョメチョメされます)の3本やな。

Y木:なんやねん、土偶って。

S原:ほんまやねんって。土偶がエッチなことをするねんって!

Y木:シュールの極みやな……まあどうでもええわ。で、今回の映画はスピーシーズのpart4やな。ストーリーは続いてるの?

S原:いやまったく別物らしい。なので、どこから観ても楽しめるよ♡

Y木:楽しみたくないなあ…

S原:でも、第1作は結構面白いねんで。part2もpart3も女性がエイリアンになる設定なんやけど、ところどころプチ・ヌードがあるねん。

Y木:というか、それがウリなんやろ。

S原:うん。今回の主演女優はすっごいキレイやねん。スタイルもすごく良い。AVとは違ってパッケージ詐欺じゃなかった。

Y木:AVと一緒にするなよ。一応、SFホラーなんやから。

S原:ただなあ……

Y木:なんやねん。

S原:乳首。

Y木:は?

S原:乳首やねん。

Y木:なにが乳首やねん。

S原:こういう映画では、乳首は見せたらあかんねん。

Y木:知るか。

S原:いや、乳首は見せないほうがええねんって。

Y木:どうでもええって!

S原:あー、見えそうでみえない「あだち充」方式にして欲しかったなあ。そのほうが、逆にエロく感じるやん?「デラべっぴん」が何故いまだに人気があるかってことですよ、あなた。

Y木:なんで「デラべっぴん」で例えるねん。

S原:スピーシーズ・シリーズは絶対にそのほうがええと思うねんけどなあ…

Y木:もうええから、映画の内容の話をしてくれ。

S原:あ、そうそう。「炎のランナー」(1981)のベン・クロスが出演しています。

Y木:へえ、アカデミー賞撮った映画やん。ヴァンゲリスが音楽やろ。

S原:うん、映画よりもテーマ曲のほうが有名な映画な(笑)「炎のランナー」は地味やけど、すごい好きやねん。まさか、こんな知能指数0分署の映画でベン・クロスと再会するとは思わんかった。もっと主演作品を選んでくれよ~、ベン~!

Y木:わかったわかった。で、ストーリーは?

S原:あってないようなもんやな(笑)①主人公(ミランダ)の叔父さんがエイリアンDVAを使って、ミランダが「エイリアンと人間とのハイブリッド生物」になってしまう ②ミランダが裸になる場面が挿入される ③メキシコに行く(一緒に研究をしていた同僚がいるため)④ミランダが裸になる場面が挿入される ⑤メキシコでは、同僚が狂っていて女性(アズーラ)をエイリアンにしている ⑥アズーラが裸になる場面が挿入される ⑦ミランダとアズーラが女相撲をする(しかし、ミランダとアズーラはエイリアンになったあとなので、裸の場面はない) ⑧どっちかが勝つ(覚えていない) ⑨おしまい。……こんな感じ。わかる?

Y木:最後にどっちが勝つか覚えてないんかい。それに、もうちょっと紹介の仕方があるやろ。

S原:いやーこういう映画なんやって。でも前半は意外と丁寧に作っていて、結構雰囲気は良いねん。期待して観てたら、後半になると行き当たりばったりでメチャクチャ適当になったわ。チョメチョメするときも男性はなぜかパンツを履いたままやし。なんかのプレイ?(笑)

Y木:知らんわ。まあ、こういう映画は気軽に観れればええんちゃう?

S原:そうやろうな。「バタリアン2」(1985)とか「デッドリー・スポーン」(1983)を、真剣に観る人はおらんもんな。

Y木:なんで、しょぼい80年代の映画ばっかりで例えるねん…(苦笑)

S原:さあ、みなさん。この映画は結構楽しいです。つじつまがあっていないとか、設定がおかしいとか言ってはダメですよ。どうせ100年後には誰もこの映画を取り上げませんからね。我々が楽しまなくてどうするんですか。B級SFホラー好き、ちょいエロSF好きなら楽しめます。AVよりもこういうSFチラリズムが堪らない人のみゲットしてくださーい!

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「ポーキーズ2」(1983)の巻

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S原:今回は「ポーキーズ2」!

Y木:うわー、あのバカ映画に続編があったんや……

(あらすじ)

前回、酒場の悪党をコテンパンにやっつけたあの6人組が校内演劇の企画に取り組む。ところがこの企画に横槍が入ってブチ壊されそうになり、やがて町をあげての騒動に! さて、6人組ヒーローはどう反撃にでるか……?「前作と比べて若者を取り巻く社会への批判も盛り込み、コメディ的要素も磨きをかけた」とボブ・クラーク自ら大絶賛の傑作コメディ。

 

S原:前作の「ポーキーズ」(1982)は観た?おぼえてる?

Y木:観たはずやけど、全然覚えていない。下ネタばっかりで頭の悪い映画やった印象しかない。

S原:いや、それだけ覚えてたら十分です。ほんまに、下ネタだらけではしゃいでるだけの映画やから。

Y木:たしかコンドームをふくらませて暴れてなかった?

S原:そうそう。あれは名シーンですなあ。

Y木:名シーンちゃうわ!ま、おれらの大学時代もたいがいやったけどな。おまえはライブハウスでも下ネタしてたやん(笑)

S原:あーそうねえ。共産主義国のストリッパーとかマイケル・ジャクソンのオナニーとかな。いまいち受けなかったけど(苦笑)いま考えると、ぼくらは知性のカケラもない馬鹿丸出しの大学生やったなー。さすがに、コンドームで遊んだりはしなかったけど。

Y木:この映画も、いわゆる「悪ノリ」やろ?ストーリーもメチャクチャな感じ?

S原:一応ちゃんと作っています。前回で初体験をすませた主人公のピーウィが自分の××にむかって「おい、元気がないじゃないか?勃起してくれよ!」と話しかける場面からスタート。そのあとエロ本をみて勃起します。「ヘイ!やっと元気が出たな!」

Y木:いきなり、しょーもないな…(苦笑)

S原:その後、悪友たちにだまされて墓場から全裸で逃げ出したりします。さて、主人公の母は高校で演劇のコーチをしています。高校ではシェークスピア劇を上演することになっています。主人公たちが練習していると、変な神父たちがやってきて「シェークスピアは猥褻だから中止しろ」と抗議されます。はじめは気にしていなかったが、どんどん反対運動がエスカレートし、KKKも参加します。

Y木:おいおい、KKKは関係ないがな。

S原:主人公たちは、これに反撃していく…という展開です。

Y木:あー…なんかイマイチっぽいな。

S原:はい。イマイチです。「前作と比べて若者を取り巻く社会への批判も盛り込み、コメディ的要素も磨きをかけた」と解説にありますが、ハッキリいってそんなものは必要ありません!キース・リチャーズに速弾きを求めないでしょ?エディ・マーフィーに「ニコニコ笑うな!」って怒らないでしょ?それと一緒ですよ、あなた!

Y木:よくわからんぞ。

S原:とにかく下品さというか下ネタが足りません!今回は、part2になって、かなりパワーダウンしたなあ……

Y木:続編は、たいていあかんやん。それにしても、「ポーキーズ」を下ネタだけで映画を作ってヒットさせて、続編を作るパワーはすごいよな。

S原:たしかに。この映画の男子たちは、とにかく四六時中エッチなことしか考えていないからな。下ネタ映画では、西の「ポーキーズ」、東の「パンツの穴」(1984)やな。

Y木:どっちもどっちやなあ(苦笑)

S原:これちょっと調べて驚いたんやけど、劇場公開時はあの 「 E.T.」 (1982)が 1位で、これが第2位やったらしい。

Y木:えー!ほんまかいな。

S原:当時のヤングたちは『「 E.T.」は満席で観れなかったから、ポーキーズ2でも観ようぜ』ってなったんかな。

Y木:ある意味、いい時代やな(遠い目)

S原:さあ、みなさま。普通の人は途中でやめると思いますが、これが思春期男子ですよ!いいですか、いまは大きな企業の部長とかしている偉い人も、中高生時代はみんな頭が悪かったんですよ(島耕作を除く)。いまのヤング男子はどうも下ネタを敬遠するようですが、ヤングならみんな下ネタが好きなはずなんですよ。婚活中の女子も目を逸らしてはいけません。一皮むけば、男はみんな「ポーキーズ」ですよ!下ネタ魂、ネバー・ダイィィ!

Y木:おまえ、キモイぞ……

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「Mr.Boo! ギャンブル大将」(1974)の巻

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S原:今回は、Mr.Boo! ですよ!

Y木:うわー、まさかこの年になって、この映画の話をするとは思わんかった。

(あらすじ)

日本では「Mr.BOO!」シリーズの第3作目にあたるが、マイケル・ホイが自らの映画会社ホイ・プロダクションを設立し、ゴールデン・ハーヴェストと共同で製作した記念すべき第一回監督作品。詐欺師で賭博師のアーマンは、服役中にギャンブル狂の青年キットと意気投合し、出所後も二人で金儲けに精を出す。そしてトリックをつかってヤクザからドックレースの賞金をせしめたアーマンだったが、いかさまがばれて追われるハメに……

 

S原:「Mr.BOO!」シリーズは、いまでも一部マニアに支持されてるやろ。

Y木:あのテーマ曲とか吹き替えがなあ(苦笑)

S原:そうそう。広川太一郎が有名やな。

Y木:昔、一通り観たけど、どうやろ。みんなが言うほどそんなに面白いか?ってずっと思ってるんやけどな。

S原:同感。昔、このシリーズが大好きな同級生がいて、いかにおもろいか?を力説してたけど、実際に観たら「……そんなにおもろい?」って(笑)ただ、この時期の香港映画特有のバタ臭さは、すごい個性的やろ。それにハマるかどうかやろうな。

Y木:これは1974年製作か。古い映画やけど、それを割り引いてもギャグも古くさいやろ。

S原:うん。トランプを靴下に隠してイカサマしようとしたらトランプの色が違うとか、アップダウンクイズで椅子が降下したら水槽にワニがいるとか(笑)

Y木:あー…(苦笑)

S原:でも「そういう映画」と割り切れば楽しいと思うで。1作目の「Mr.Boo! 」もそんなに良い出来ではないけど、この映画はpart3やねん。さすがに惰性というか、飽きみたいな雰囲気はあります。

Y木:やろうな。しかし、小汚いオジサンたちが嬉しそうにはしゃぐだけの映画やもんなあ……これを劇場で観ていたんやから、当時の人たちはすごいよなー。

S原:いまなら、逆に話題になるかも。いまは「バズる」って言うんかな。

Y木:確か話はバクチものやろ?

S原:そうそう。主人公のブー(マイケル・ホイ)はギャンブラーです。いまは刑務所にいます。そこへロン(サミュエル・ホイ)が刑務所にやってくる。カジノで失敗して警察にパクられたんやけど、こいつもギャンブル狂。この2人が刑務所の同じ部屋になって意気投合する。刑務所を出た2人は、さっそくギャンブルで一儲けしようとする。知恵を絞って香港マフィアのノミ屋をだまして大儲けするが、マフィアにバレて追いかけられて……というストーリーやな。

Y木:まあコメディやわな。

S原:うん。話は悪くないんやけど、演出がとにかく脂っこい。でも、たまには油ギトギトの中華料理が食べたくなるやん。あれと一緒やろうな。

Y木:じゃ、「ポリスアカデミー」シリーズは、アメリカンサイズのハンバーガーかな。

S原:イエース!どちらも年に1回くらい、すごく食べたくなるという。あとはさっきもでたけど、広川太一郎はじめ声優たちのおふざけ吹替を楽しめばええんとちゃうやろか。役者の口が動いていないのに、適当にセリフを言ってるくらいから(笑)この映画でも『ちょっとストップ戦争勃発。君子危うきに近寄らず。三十六計逃げるにしかず。さのよいよい』とか『いたいた、いいカモ、カモーンなんてな』とか『ずっとオツム痛い痛いだったんだ、ボク。君の風邪薬効くねえ。一粒でハッキリシャッキリ切干大根だもん!』とか、そんなんばっかり。

Y木:駄洒落やん。

S原:文字にするとまったく面白くない(苦笑)。ほかの「Mr.Boo!」シリーズでもふざけてるやろ。『おトイレさん、お便器?』とか『俺の実力、知っての通り、青山通り、246だから安心しろ』『この銃は命中率が極めて下高井戸』とか。

Y木:全然意味わからんぞ。

S原:まあ映画の流れで、勢いのまま観てなんとなく笑ってしまう、まさに広川太一郎マジックなんやろな。

Y木:それにしても、こういう意味不明な吹替ギャグは、いまのヤングはどう思うんやろ?

S原:あー、ぜひ感想を聞きたいなあ。というわけで、「Mr.Boo!」のもう体が脂を求めている腹ペコ状態のときに観てくださいませ!ませ、ませのマセラティに乗っちゃうよ!とか言ったりなんかしちゃったりして~!

Y木:言うと思った……

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「スーパーマンIV 最強の敵」(1987)の巻

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(あらすじ・解説)

クリストファー・リーブが正義の味方のマントをまとうだけでなく、核の廃絶という刺激的なテーマを展開するのにも一肌脱いだシリーズ第4弾。世界を核兵器の売人にも居心地良くするため、レックス・ルーサーが打倒“鋼鉄の男"を掲げて創り出したのが、放射能を帯びたニュークリアマン。最強の敵を迎え、想像を絶する死闘が繰り広げられる。さらに自由の女神を救い、エトナ山の噴火を食い止め、爆破された万里の長城を再建するスーパーマン。エキサイティングな冒険、ここに完結!

 

スーパーマン……誰もが知っているヒーローなのに、あまり(映画を)観たことがないという不思議な映画ですね。とくに、このクリストファー・リーブ版は、いまとなってはもう観る人も少ないんではないでしょうか。

このシリーズはpart2(冒険編)までは、まあまあだったのですが、part3(電子の要塞)は珍作中の珍作でしたねえ……(苦笑)あれは、たしか夏休みに劇場公開だったはずなんですが、楽しみにしていた子供たちにビターテイストのメモリーを与えた映画だったですね。ぼくの友人は、「めっちゃ弱いねん、スーパーマン!」と本気で怒ってましたから。

 

part3は興行収入も良くなかったし、打ち止めにしてもおかしくなかったのですが、なぜか続きましたね。クリストファー・リーブ自身も「もうスーパーマンの続編には出演しない。だって、もうやることがないからね」とインタビュー(雑誌スクリーン)で語ってたんですけどね。まあ、スーパーマンも目の前に積まれた札束のパワーには負けたということでしょうか。

で、この映画ですが結論からいうと悪くないです。

おいおい、ほんまかいな!と突っ込む人の気持ちも分かるんですが。まあ待って下さいませ。あのpart3のあとでは少々のことは目をつむろうとするのが人情ですよ。

良いところをまず言うと、ぼくはブルーレイで観たのですが、それなりに画像はキレイです(ただし空を飛ぶ特撮場面はかなり厳しいです)。

あとジーン・ハックマンもノリノリで悪役を演じていてバッチグーです。それにしても、この人は不思議な俳優ですね。「フレンチコネクション」(1971)「スケアクロウ」(1973)「ミシシッピー・バーニング」(1988)などの映画史に残る映画に出演している一方、「ボディ・バンク」(1996)とか「カナディアン・エクスプレス」(1990)とかB級臭プンプンの映画も嬉しそうに出演していますから。分け隔てなく映画出演するナイスなおじさんですね。あ、ちなみにぼくは「カナディアン・エクスプレス」、すごく好きです。

それにストーリーが単純極まりなくて、良いです。

①悪いヤツ(レックス・ルーサー)が、強い奴(ニュークリアマン)を作ります。

②スーパーマンがやっつけます。

これだけです。起承転結ですらありません。清々しいです。ちょっとくらいスマホの画面をみていても、ラストさえ観ていればバッチグーの親切設計ですよ。

え?他のエピソードもあるだろうって?イエース、ありますよ。一応、クラーク・ケントが勤務している新聞社の内部ゴタゴタとか、国連で平和についてスーパーマンが語るというエピソードがあります。でもですねえ、そういうのを観たいわけじゃないんですよ。なぜ変な青いレオタードと赤いピチピチブリーフのおじさんに世界平和の説教を喰らわせられるんでしょうか?グズグズしてないで早く「最強の敵」を出せっちゅーの。80年代の映画のリズムというのを除外しても、ちょっとスロー過ぎますよ。このへんが欠点でしょうか。あ、でも、女性二人とクラーク・ケントとスーパーマンでWデートする場面は面白かったです。

 

というわけで、「スーパーマンIV 最強の敵」は最低作ではないですが、おススメしにくいです。レンタル店でみかけて、ちょっと気になっている人もいると思いますが(いないか)、最近のアメコミ映画とは全く違う(とくに特撮部分)ということを理解してもらえれば、まあ楽しめるかも……です。

今回はストーリーについてほとんど語っていませんが、本当に語るべき部分のないストーリーなんですって……(苦笑)

というわけで、次回以降もお楽しみに。以上、S原でした!

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「猿の惑星 征服」(1972)の巻

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Y木:猿の惑星かあ。

S原:今回は、ほとんどの人の記憶から消えているこの映画です。

あらすじ)

言葉を話す猿たちの繁栄を恐れた人間に、あの猿の夫婦が殺されてから18年。彼らの忘れ形見シーザーは密かにサーカスの団長によって育てられていた。猿が人間のペットとなっている社会で、奴隷として虐待を受ける仲間の猿の姿をみた彼は、ついに怒りを爆発させ、人間への反乱を開始した……!

 

S原:かなり昔、申年の正月に猿の惑星全5作一挙放送という特集があったやろ。8時間くらい延々と猿が映っているという(笑)

Y木:あーあったなー、サンテレビ(関西のチャンネル)やろ。あれは忘れられんよな。テレビの番組編成の奴がヤケクソになったんやろな。

S原:まあ、猿の惑星はいまだにリメイク(リブート?)されるくらいやから、人気作やと思うねんけど、オリジナルシリーズとしては全5作やねん。「猿の惑星」(1968)「続・猿の惑星」(1970)「新・猿の惑星」(1971)「猿の惑星 征服」(1972)「最後の猿の惑星」(1973)です。覚えてる?

Y木:最初のやつしか覚えてない。大学時代はみんなpart2をネタにして笑ってたな。

S原:だって、生き残った人類が爆弾を崇拝している映画やで。しかも、めちゃシュールやし(苦笑)まあ、シリーズの宿命というかだんだんダメになるんやけどな。これは、part4です。実は、前回のpart3「新・猿の惑星」は結構面白いねん。ある日、人の猿(人間と同じ知能を持った猿)が現代のアメリカにタイムスリップをしてきます。未来に地球が猿に支配されるという「事実」を知って、人間たちは恐怖を感じて、結局猿たちは人間に殺される。ところが2人が生んだ子猿が生きていて…というところで映画は終わります。

Y木:ほう。

S原:今回は、その生き延びた猿(マイロ)が主人公やねん。このマイロは人間の言葉も話せるし頭もよいが、普段はただの猿のようにふるまっています。まさに猿真似ですな、旦那。

Y木:しょーもない落語家みたいな表現はやめろ。

S原:この映画では犬や猫が死滅していて、猿をペットで買う一方、奴隷としてもこき使っているという設定やねん。サーカスの団長にかくまわれながらひっそりと生きてきたマイロだが、猿が虐待されているのをみて思わず言葉を発してしまう。そこから人間に追われて逃げていく…という展開やな。

Y木:あーそんな話なんや。全5作で完結やから、この映画では話は終わらんのね?

S原:終わりません。マイロ(途中でシーザーという名前に変わる)が、猿たちを率いて暴動を起こしたところでおしまいです。

Y木:じゃあ、part5では猿と人類の全面戦争やな。

S原:うん。しょぼかったけどな。

Y木:あかんやん。で、この映画の感想は?

S原:面白くないです。

Y木:やっぱりな。

S原:これ久しぶりに見直したんやけど、もう惰性で作ってるような感じでな。

Y木:猿のメイクはすごいんやろ。

S原:すごいよ。でも、すでに3本の映画で猿を見続けるねんで?いくら猿のメイクが上手くったって別に驚かへんって。

Y木:猿が好きな人もおるがな。

S原:そんなん動物園に行ったらええがな。

Y木:それを言ったらおしまいやろ!

S原:いやーとにかく、この映画は中途半端。例えば、賢いお猿さん(マイロ)が、人間にみつからないようにバカなふり(猿のふり)をするという場面なんか、いくらでも面白くできるやろ?ところがメチャクチャ凡庸で下手やねん。あとは人間たちが猿を迫害する場面も中途半端。たとえば、観客が、人間の仕打ちの酷さに嫌悪感を抱いて猿たちを応援するようなレベルでもないのよ。ただ単にいじめてるだけ。これではあかんって。

Y木:猿VS人類の戦いになるんやろ?

S原:なります。でも、ぬるい……翌日の風呂の水みたいな温度です。あー最後にボス猿が演説するねん。人間は地球を汚染している!とか。でも映画の出来が悪いから、「なんでサルに説教されなあかんねん!」という気持ちになる。「おまえらだって、バナナを食べた後にゴミ箱に捨てへんやろ!」って。

Y木:なんやねん。意味わからんわ。要するに演出がダメなんやな。監督ってだれやったけ?

S原:J・リー・トンプソン。この映画の前は「ナバロンの要塞」(1961)「マッケンナの黄金」(1969)とか撮ってます。

Y木:へー、ちゃんとしてるやん。

S原:この映画の後は、チャールズ・ブロンソン主演で「必殺マグナム」(1986)「バトルガンM-16」(1987)とか撮ってます。

Y木:あかんやん!って、観てないのに決めつけたらあかんか(苦笑)

S原:いや、ぬるいのは確かやで。でもなー、ぼくは子供の頃から「ちょっと猿っぽい」と言われてるねん。

Y木:あー大学時代もからかわれてたな。

S原:いや人間は(たぶん)猿から進化してるから自然なことなんやって。それはええねんけど、もしも、ほんまに現実世界で猿と人類が戦うことになったら、ぼくはどうなんやろ?猿っぽいということで、猿たちには優しくされるんやろか?

Y木:いや、真っ先に殺されると思うで。役に立たない人間第一号ってことで(笑)

S原:あーサンキュー。じゃ、人間側につくわ。

Y木:なんちゅう不毛な会話や。

S原:まーこの映画に話を戻すと、本当に猿が好きで好きでたまらないって人以外にはおススメできません。というわけで、次回の申年にどこかのテレビ局で一挙放送するでしょうから、べつにDVDは買わなくても良いと思います!では、モンキー、ゴーホーム!

Y木:最後はダジャレ……しょぼいなあ(ため息)

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「山猫は眠らない5 反逆の銃痕」(2014)の巻

山猫は眠らない5 反逆の銃痕 [DVD]

S原:今回は、なんと現在パート8まで作られているこの映画!

Y木:アメリカ版Vシネマみたいやな。

(あらすじ)
あの男が、帰ってきた――南フロリダ、ロンドン、ベルリン、ローマ――世界各地で米軍士官が暗殺される事件が勃発。現場の状況から、犯人は相当腕の立つ狙撃手であると判明した。被害者の共通点は過去に“とある作戦"に参加していたことで、その中には伝説的狙撃手トーマス・ベケットの名前も…。
父の死を知らされたブランドン・ベケット一等軍曹は事件の真相を突き止めるべく、犯人の次なる標的であるショープ少佐が任務に就いているシリア北西部へ向かう。そこでブランドンを待ち受けていたものは、想像を絶する過酷な戦いと、予期せぬ人物との再会だった。

 

S原:これ、意外と面白かったで。

Y木:ほんまかいな。

S原:全く予備知識なくなんとなく観始めたけど、映像が綺麗でな。すごくちゃんと作ってます。キャラクターの人間関係もわかるし、話の展開も自然やしな。

Y木:普通の映画は、そういうもんやけどな(苦笑)

S原:まあな。最初の「山猫は眠らない」が公開されたのは1993年。その時観たけど、まったく覚えてない。おまけにパート2から4までも観ていないから、ストーリーが理解できるか心配やったんやけどな。すごくシンプルで全然大丈夫やったわ(笑)

Y木:しかし、8本も作られてるのはすごいな。

S原:ああ、世界中から愛されている「ポリスアカデミー」でさえ、7本やもんな。

Y木:あんな映画、愛されてないわ。で、この映画は狙撃手の話やな。

S原:そうそう、さっきも言ったけど話は単純やねん。主人公は狙撃手です。シリアの国境近くの作戦に参加します。そこで同僚のミスもありタリバン幹部の狙撃に失敗します。作戦後に、転属を希望しますが上司は却下します。そこで上司は、過去に実施したセンチネル作戦のメンバーが次々と殺されている事実ことを伝えます。そのメンバーのなかには、主人公の父親もいて行方不明になっている、と。

Y木:ほう。

S原:犯人と思われるのは、センチネル作戦に参加していたメンバーの一人でシンプソンという男。こいつは精神を病んでいる。そのシンプソンも凄腕らしいがどこにいるかわからなず、おそらく残りのメンバーも狙ってくるだろう、という感じで展開していきます。

Y木:なるほど。

S原:父親は伝説のスナイパーやねん。後で調べて分かったけど、パート1~3までの主人公で、パート4から息子が主人公らしい。長いシリーズやから、そういう感じになるんやろうな。で、いろいろあって主人公は単独行動をしてシリアの戦地に飛び込む。そこで(無理やり)軍に合流して、麻薬組織の掃討作戦に参加したりしながら、犯人のシンプソンとも狙撃で戦う。戦闘シーンもかなり迫力あるけど、やっぱりスナイパー同士の戦いが見応えがある。長い距離をとって息をひそめてジッと動かず、一発必中を狙う……観客がなにを求めているかをよく分かっていて納得のいく作りです。

Y木:おれはそういうのはあんまり好みじゃないけど、言わんとすることは分かる。で、親父はでてくるの?前の主人公やろ?

S原:途中ででてきます。演じているのはトム・べレンジャー。すごい貫禄でな。美味しいところを全部かっさらっていたで(笑)

Y木:最後はどうなるの?

S原:犯人のシンプソンが主人公を追いつめます。絶体絶命です。それを遠くから狙う父親。照準を合わせます。最初は、バシュン!って感じで右腕が吹っ飛びます。びびったシンプソンの頭をまたバシュン!って撃ちます。後頭部がキレイに吹っ飛びます。

Y木:イタリアのホラーみたいやな。

S原:あールチオ・フルチとかが演出しそうな感じやったな。でも、この場面はすごく良かった。ここだけでご飯3杯!みたいな。

Y木:知らんわ。でも、主人公じゃなくて父親が決めておしまいなんや。

S原:そうそう。ちょっとは主人公(息子)に華をもたせてやれ、主人公なんやから(笑)

Y木:まあ貫禄勝ちってことちゃうの?

S原:そうやなあ。寅さんは最後のほうは自分の恋の話ではなくて、甥っ子の恋愛を応援してたやろ。あんな枯れた感じはなかったわ。

Y木:でも、まだまだ息子よりも親父が上!っていう設定は上手いんちゃう?次のシリーズも作りやすいやん。

S原:そうなのよ。なかなか頭の良い作戦よな。この映画を観たあとに、ふと思ったんやけどな。

Y木:なに?

S原:ぼくもこのブログをちょっとずつ息子に引き継いだほうがええやろか?そうすれば、長く続けれるやん?

Y木:好きにすればええけど、息子は映画好きなんか?

S原:いや全然。それどころか、ぼくが話しかけても口もきかへん。

Y木:こんなブログのことよりも、家族関係を心配しろよ……

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! !「シックスヘッド・ジョーズ」(2018)の巻

シックスヘッド・ジョーズ

Y木:なに、このアホみたいな映画は…(絶句)

S原:さあサメ映画マニア(だけ)が喜ぶ映画を紹介しますよ~!

(あらすじ)

メキシコ・バハ半島沖コラゾン島。この大自然が体感できる島で、カップルの関係修復を目的としたキャンプセラピーが行われていた。しかし、険悪ムードの参加者たちに、インストラクターのウィルは手を焼いていた。そんな中、連絡が途絶えていたスタッフのブラッドが、海で死体となって発見される。鮫の仕業と思われたが、無残な死体は何匹かに喰いちぎられた様だった。そして、恐怖に震える彼らの前に現れたのは、なんと頭が6つある鮫。あまりの衝撃に目を疑うが、この島では冷戦下に極秘の動物実験が行われていたという噂があった。彼らは急いで島へと避難するが、その怪物の前では陸地でさえも安心できる場所ではなかった―。

 

Y木:これ、「ジョーズ」(1975)の続編ちゃうやろ?

S原:ちゃいます。一応、「ジョーズ4 復讐篇」(1987)(劇場公開タイトルは、「ジョーズ’87復讐篇」)で、本家シリーズはおしまいらしい。でも、本家を無視して続々と適当な亜流サメ映画が出来てて、好事家たちが喜んでみているという(笑)これは、そのなかでも『多頭サメシリーズ』というのがあってな。この映画は、第4弾やねん。

Y木:は?多頭?

S原:あーごめんごめん。素人には難しかったかな。

Y木:うるさいわ。おまえも素人やろ。

S原:まずは『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)が最初やな。頭が2つのサメですから恐怖も2倍になります!

Y木:なりません。

S原:確かプロレスラー、ハルク・ホーガンの娘がでてて、かなり前に観たけど覚えていない…普通くらいの出来やったと思う。

Y木:変な映画にでるなあ…もうちょっと選べばええのに。

S原:次は 『トリプルヘッド・ジョーズ』(2015)。今度は頭が3つです。観てないけど環境問題なんかも盛り込んでるらしい。

Y木:そんなバカな映画を作るやつらに、環境問題とか語られなくないなー。

S原:そのつぎは、フォーヘッド(4頭)をなぜか飛ばして 『ファイブヘッド・ジョーズ』(2017)。これもまあまあの出来らしい。それにしても、いやーサメの進化はすごい、ネ♡

Y木:これを作って観客から金をむしりとる製作会社の商魂がすごいわ。

S原:で、最後はこちら!ジャーン! 『シックスヘッド・ジョーズ』(2018)ですよ、あなた!

Y木:はー……(溜息)で、面白かったの?

S原:え、なに?

Y木:面白かったんかって聞いてるの!

S原:あなたねえ……

Y木:なんやねん。

S原:こんなん、おもろいわけないやろ!

Y木:お・ま・え・が・い・う・なー!

S原:だって、考えてみ?べつにサメの頭が6つあるからって、映画が面白くなるわけとちゃうやん?

Y木:わかってるわ。なんで観るねん!

S原:まあ、今回の映画は楽しいといえば楽しんやけどな。出来としては、かなりひどいです(苦笑)それでも、中古店でみつけたらついつい買ってしまう……おお神よ…!

Y木:いきなりなんやねん。

S原:神よ!「DVD獲得欲」というものをこの世に生んだあなたが憎い!

Y木:物欲に負けてるだけやろ。

S原:まあストーリーは単純やねん。極秘実験で6つの頭があるサメが人間を襲う…これだけやからな。でも、ちょっと面白い場面もあるで。この6頭サメは陸にもあがれるねん。

Y木:どうやって?

S原:横についてある頭を足の代わりにして歩くねん。よっこらしょって感じで(笑)

Y木:ヤケクソやん。

S原:まあな。さーそういうわけで、Z級映画なのは間違いないですが、なんとも脱力系サメ映画となっています。ネットでは、サメ映画マニアたちが「ファイブヘッドジョーズが良い」とか「やっぱりダブルヘッドジョーズが最高」とか盛り上がっていますが(本当)、正直どれも一緒……いやいや、こういう映画は避けて通ってはいけませんよ。いつか将来、合コンで「ねえねえ、サメ映画なら何が好き?」と、かわいこちゃんに聞かれるときのために、ゲット、プリーズ!

Y木:そういう娘とは付き合わへんほうがええんとちゃう…?