Y木:なに、このアホみたいな映画は…(絶句)
S原:さあサメ映画マニア(だけ)が喜ぶ映画を紹介しますよ~!
(あらすじ)
メキシコ・バハ半島沖コラゾン島。この大自然が体感できる島で、カップルの関係修復を目的としたキャンプセラピーが行われていた。しかし、険悪ムードの参加者たちに、インストラクターのウィルは手を焼いていた。そんな中、連絡が途絶えていたスタッフのブラッドが、海で死体となって発見される。鮫の仕業と思われたが、無残な死体は何匹かに喰いちぎられた様だった。そして、恐怖に震える彼らの前に現れたのは、なんと頭が6つある鮫。あまりの衝撃に目を疑うが、この島では冷戦下に極秘の動物実験が行われていたという噂があった。彼らは急いで島へと避難するが、その怪物の前では陸地でさえも安心できる場所ではなかった―。
Y木:これ、「ジョーズ」(1975)の続編ちゃうやろ?
S原:ちゃいます。一応、「ジョーズ4 復讐篇」(1987)(劇場公開タイトルは、「ジョーズ’87復讐篇」)で、本家シリーズはおしまいらしい。でも、本家を無視して続々と適当な亜流サメ映画が出来てて、好事家たちが喜んでみているという(笑)これは、そのなかでも『多頭サメシリーズ』というのがあってな。この映画は、第4弾やねん。
Y木:は?多頭?
S原:あーごめんごめん。素人には難しかったかな。
Y木:うるさいわ。おまえも素人やろ。
S原:まずは『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)が最初やな。頭が2つのサメですから恐怖も2倍になります!
Y木:なりません。
S原:確かプロレスラー、ハルク・ホーガンの娘がでてて、かなり前に観たけど覚えていない…普通くらいの出来やったと思う。
Y木:変な映画にでるなあ…もうちょっと選べばええのに。
S原:次は 『トリプルヘッド・ジョーズ』(2015)。今度は頭が3つです。観てないけど環境問題なんかも盛り込んでるらしい。
Y木:そんなバカな映画を作るやつらに、環境問題とか語られなくないなー。
S原:そのつぎは、フォーヘッド(4頭)をなぜか飛ばして 『ファイブヘッド・ジョーズ』(2017)。これもまあまあの出来らしい。それにしても、いやーサメの進化はすごい、ネ♡
Y木:これを作って観客から金をむしりとる製作会社の商魂がすごいわ。
S原:で、最後はこちら!ジャーン! 『シックスヘッド・ジョーズ』(2018)ですよ、あなた!
Y木:はー……(溜息)で、面白かったの?
S原:え、なに?
Y木:面白かったんかって聞いてるの!
S原:あなたねえ……
Y木:なんやねん。
S原:こんなん、おもろいわけないやろ!
Y木:お・ま・え・が・い・う・なー!
S原:だって、考えてみ?べつにサメの頭が6つあるからって、映画が面白くなるわけとちゃうやん?
Y木:わかってるわ。なんで観るねん!
S原:まあ、今回の映画は楽しいといえば楽しんやけどな。出来としては、かなりひどいです(苦笑)それでも、中古店でみつけたらついつい買ってしまう……おお神よ…!
Y木:いきなりなんやねん。
S原:神よ!「DVD獲得欲」というものをこの世に生んだあなたが憎い!
Y木:物欲に負けてるだけやろ。
S原:まあストーリーは単純やねん。極秘実験で6つの頭があるサメが人間を襲う…これだけやからな。でも、ちょっと面白い場面もあるで。この6頭サメは陸にもあがれるねん。
Y木:どうやって?
S原:横についてある頭を足の代わりにして歩くねん。よっこらしょって感じで(笑)
Y木:ヤケクソやん。
S原:まあな。さーそういうわけで、Z級映画なのは間違いないですが、なんとも脱力系サメ映画となっています。ネットでは、サメ映画マニアたちが「ファイブヘッドジョーズが良い」とか「やっぱりダブルヘッドジョーズが最高」とか盛り上がっていますが(本当)、正直どれも一緒……いやいや、こういう映画は避けて通ってはいけませんよ。いつか将来、合コンで「ねえねえ、サメ映画なら何が好き?」と、かわいこちゃんに聞かれるときのために、ゲット、プリーズ!
Y木:そういう娘とは付き合わへんほうがええんとちゃう…?