あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「女性」「性」がテーマの映画を観てみる!「カレンダー・ガールズ」(2003)の巻

カレンダー・ガールズ 特別版 [DVD]

S原:さあ、今回はこちら。高齢の女性がヌードになる映画です!

Y木:へえ。

 (あらすじ)

田舎町の平凡な日々に嫌気がさしていたクリス、夫の病で亡くした悲しみから立ち直れないアニー。親友同士のふたりは、地味な生活に彩りを加えようと、婦人会でヌードカレンダーを作ろうと提案。モデルは自分たち。その勇気ある行動は、英国だけでなく、ハリウッドまで巻き込む大ニュースになって・・・

 

S原:これ、なかなか面白いで。しかも実話らしい。

Y木:すごいな。さすが英国。

S原:ほんまにな。内容も良いけど、これは舞台となったイギリス、ヨークシャーの風景が、素晴らしい。ぼくのように、大都会よりも田舎の何気ない風景に心惹かれるタイプには最高の映画やと思う。

Y木:そうなんや。田舎が舞台なんやな。

S原:うん。絵葉書みたいなショットもでてくるけど、何気なくおじいさんやおばあさんが歩いているショットが、たまらない。もうよだれがでるくらい素晴らしい。

Y木:なんやねん、よだれって。

S原:映画自体も演出も奇をてらわずに、すごく正面から描いてるねん。かといって、まじめなだけじゃなくてユーモアやコメディリリーフもある。もう映画作りのセンスというのか、すごく品があって良いよんなあ。

Y木:「イギリス映画」の良いところがでたんやろうな。

S原:うん、そう思う。ストーリーは、上のあらすじの通り。とにかく、田舎のおば様たちが、一念発起してヌードになる。それがあっという間に話題になっていく、というだけの話やから。

Y木:たしかに単純やな。

S原:ちょっと物足りなく思う人もいると思うけど、こういう映画はそれで良いと思う。

Y木:肝心のヌードはどうなん?

S原:キレイに撮れてるで。みてみる?

Y木:遠慮しておくわ。まあ、でもちゃんと作っているのはなんとなくわかった。

S原:撮影の〇時間前になったら外出先でもブラジャーを外しておくとか、男性カメラマンには裸は見せたくないから鍵穴から覗いてもらうとか、「小ネタ」を挟みつつ、話は進む。いよいよ、みんなで作ったカレンダーが完成。あっという間に予想以上に話題になる。そこからテレビ局が取材に来たり、ハリウッドからオファーきたり、飛行機のファーストクラスにのってはしゃいだりとか、さすがにとんとん拍子すぎるけど、それでも楽しく観れる。

Y木:家族は?とくに旦那は怒らへんの?

S原:大半は黙って見守っている。例えば、女性たちがヌード撮影しているあとに、これぞれの旦那(もちろん高齢の男性たち)が、黙って地元のパブ(?)で酒を飲んでいる場面があるねん。だれも会話をしようとしない。こういう短い場面をはさむだけで、もう観客には、男性たちの複雑な心境が分かる。このへんは上手いと思う。

Y木:へえ。

S原:ただし、家族(とくに夫、年頃の息子)としての悩みは最後の方で結構シリアスに描かれる。田舎の家族がのんびりと2人で暮らしていたのに、妻が突然「有名人」になってしまうから。家族関係のバランスが崩れてしまうんやな。息子は学校で笑われるし、夫は勝手にタブロイド紙のネタにされる。

Y木:有名人と言っても『ヌードで有名になった人』やから、余計に色々と言われるよな。

S原:そうそう。だけど、最後はヨークシャーの自然のように、ゆったりとした雰囲気になって、ハッピーエンドとなる。ゆったりとした時間の中で、おばさまたちがヨガをする。気持ちい風が吹いているのがわかるような、素晴らしい場面やねん。これはニューヨークや東京が舞台では絶対に面白くないはず。

Y木:言いたいことは分かる。朴とつな雰囲気なんやな。

S原:そういうことやな。田舎に住む人たちを舞台にした映画としても、これはお手本のような映画。観始めたらあっという間に見終わった。いつもは、最後まで観るのが苦痛な映画が多いから、うれしかった。

Y木:よかったやん。でも久しぶりにマトモな映画の話をきいたように思うわ(笑)

S原:いや、マトモではないよ。だって、高齢の女性がヌードに挑戦する映画やもん(笑)さあーみなさん。今回は、久しぶりに普通におススメします。とくに女性は楽しめるでしょう。普段、ゾンビとかカンフーとか宇宙船とかアイドルの水着姿とかばっかり追いかけている永遠の中学二年生のあなた!そんなあなたにも、おススメでーす!