あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定)

「破壊的防御 システム エンクリプト」(2003)の巻

破壊的防御 システム エンクリプト [レンタル落ち]

Y木:これ、タイトルといいジャケット写真といい、もう一般人にアピールすることさえ放棄してるやん。

S原:いやーすごいインパクトやろ。中古店でみつけた1秒後には、買い物かごにいれてたわ(笑)

(あらすじ)

荒廃した地球を舞台に、退役軍人が人類の命運を賭けた戦いに巻き込まれるSFアクション。2068年、戦争と環境破壊により荒れ果てた地球。缶詰の食料で人類が生き延びる世界。元軍人・ジョンは老い行く父親を助けるために、金持ち・アントンのあるプロジェクトを引き受けることになるが、そこには重要な秘密があった…

 

S原:この映画はですねえ、あらすじは、上の通りやねん。「ニューヨーク1997」(1981)みたいに荒廃した近未来都市が舞台。主人公(元軍人・少佐)が、崩壊した世界でも富を持ち力を持っているアントンという男から、「ある屋敷に侵入して、屋敷内にある美術品を持ち帰ってくれ」と依頼される。報酬は、食料と薬、というわけ。

Y木:ほう。

S原:主人公は、5人の特殊部隊チームとともに屋敷に侵入する。ところが、その屋敷には「エンクリプト」と呼ばれる強力な防御システムがある。さあ、どうするか?というストーリーやな。

Y木:要するにセコムやな。

S原:そうそう。ものすごい厳しく設定されたセコム(笑)

Y木:というか、主人公たちは他人の家に入って美術品を盗むんやろ?これって、ドロボーやん。

S原:うん。だから、主人公たちには感情移入できへん。主人公たちがピンチになっても、ハラハラドキドキしない。どうせ、おまえら他人に迷惑をかける犯罪者やんって。

Y木:なんちゅう映画や。それで、いよいよ侵入というか、ドロボーをするわけやな。

S原:そうそう。侵入するとすぐに、透明な生き物(?)が庭を横切る。主人公たちは、ひたすら機関銃を撃ちまくる。

Y木:それで?

S原:それだけ。機関銃の音がまたうるさいねん…(苦笑)そのあと、屋敷にあっさりと侵入する。そのとき突然、女性が現れます。この女性は実在してなくてコンピューターのホログラム(AIらしい)です。「あなたちは不法侵入です」「引き返してください」「警察を呼びました」

Y木:さすがセコム(笑)というか「警察を呼びます」って、そんな荒廃した都市に警察はおらんやろ。

S原:言い忘れてたけど、この女性は中国系で名前はダイアナ。ダイアナは「これ以上、すすむと危ないわ」「あなたちを傷つけたくない」と主人公たちを諭します。

Y木:えらい優しいな。

S原:主人公たちは当然無視します。すると、ダイアナはだんだんとイライラして「警告します」「帰りなさい」「ここにあるシステムは、殺人マシーンです」

Y木:セコムのくせに逆ギレかいな。

S原:このセコム製のダイアナは、ことあるごとにでてきて、主人公たちと雑談するねん。

Y木:泥棒と雑談してる場合ちゃうやろ

S原:主人公たちもだんだんとダイアナと仲良くなって、ピンチになると「ダイアナ、これは罠なのか?」「おい、おれたちを助けてくれ」と泣き言を言います。

Y木:なんちゅう情けない特殊チームや。

S原:ダイアナには「それは、わたしの基本的な任務ではありません」とあっさりと断られます。

Y木:あたりまえや。結局、破壊的防御 システムって、そのダイアナのこと?

S原:いや、黒いナマハゲみたいなんが襲ってくるねん。

Y木:ナマハゲ?あー、それが写真のヤツやな。

S原:うん。よくわかりませんが、軍人がゆっくりと歩いたりしていると、後ろから黒いナマハゲのような怪物がやってきます。なぜか走り方がモタモタいてますが、主人公の部下1名がナマハゲとバーンとぶつかっただけで、あっさりと死にます。

Y木:なにそれ?

S原:よくわかりません。部下を失くした主人公は、ほかの部下にも嫌味を言われて落ち込みます。ダイアナは、呼ばれてもいないのに出てきます。そして、主人公に「あなたには失望したわ…」「せっかくの部下を失くしてしまったわね…」「あなたは、軍人のときは勇敢だったのに…」と傷口に塩を塗ります。主人公はさらに落ち込みます。

Y木:ダイアナ、ちょっと性格悪いぞ。

S原:そのあと、ダイアナは、いかにこの屋敷にある美術品に価値があるのか説明します。懇切丁寧に美術品の出自を説明します。ほとんど、美術品の音声ガイドです。なぜか主人公は興味を持ちます。「へえ、そんなにすごいのか。本物をみたかったなー」それを見たダイアナは言います。「そんなことよりも、早くこの屋敷から引き返してほしいわ」

Y木:なんか会話が変やけど、まあええわ。要するにセコム機能がまだ残っているんやな。

S原:そして、このダイアナは「もう誰にも死んでほしくない」「あなた達の命が大切なの」「わたしは人命を尊重する」と説得します。ものすごく心配しています。

Y木:ダイアナ……どういう立ち位置?

S原:主人公たちも同じ突っ込みをします。「なんで、おまえが優しんだ」「おかしいだろ」「どうせ、おれたちを排除するシステムのくせに」

Y木:まあ、そうやろうな。

S原:ダイアナはムッとして「じゃあ、これでお別れね!」「せめて、あなたたちの即死を祈るわ!」と言って消えます。

Y木:また逆ギレかいな。

S原:そのあと、主人公たちが敵(見えないナマハゲ)に囲まれてピンチになったときに、「おい、ダイアナ、こういうときはどうすればいいんだ?」と質問しますが、怒ったダイアナは返事をしません。ツンデレです。

Y木:…これってコメディなんか?

S原:そうこうしているうちに、見えないナマハゲとまた戦います(機関銃の音がするだけ)。なぜか、自動掃除機のルンバみたいなのに、追いかけられてビビりまくります。「いくらでもこい」「やってやるぜ」と勇ましいセリフがありますが、お掃除ロボ・ルンバが来るたびに逃げ惑う特殊部隊。「たすけてくれえー、ダイアナー」

Y木:お掃除のルンバがやってきて逃げる…

S原:途中で女性隊員が死にます。すごく悲しい音楽がシンセで流れます。性懲りもなく、またダイアナがでてきて「可哀そうに…」「いい人だったのに」とつぶやきます。

Y木:あんたには言われたくないなー。

S原:主人公はダイアナに言います「もう、このセキュリティシステムを解除するんだ!」ダイアナは「それは出来ないのよ」と言います。

Y木:だからダイアナは、セコム側の女性なんやから当たり前やって!

S原:ダイアナは「でも、あなたたちを助けたい」「私も生きたい」「私も人間」「人生なんて幻よ…」と意味のつながらない会話をして、主人公たちを困らせます。そして、ダイアナがこの屋敷の弱点(?)と逃げ道を教えます。

Y木:ダイアナ……あんたは何がしたいんや?

S原:ダイアナのおせっかいは続きます。主人公に対して、なぜか録画されてた「妻子が亡くなる場面」を無理やり見せます。主人公は哀しみをぶり返されます。また傷口に塩を塗られます。ひたすら落ち込む主人公。

Y木:おせっかいと言うよりも、もはや悪意やろ…

S原:なんだかんだあって、仲間がナマハゲと戦って死にます。主人公はすっかり仲間気取りのダイアナと、(主人公を)裏切った部下と戦います。ナマハゲもやってきます。暗闇で良く見えませんが、セコムとナマハゲと中国女性との混沌した空気感だけは伝わります。

Y木:混沌…

S原:そんなことをしているうちに、裏切った部下は、ある機械(電卓みたいな機械)を横取りしようとします。ダイアナ曰く「あれは、この世界の大気をキレイにするシステムだわ」「あれがあれば、この地球は救われるわ」「あれを奪われたら大変だわ」

Y木:おいおい、今になってそれを言うか?そんな大事な機械があるんなら、最初から言わなかんやろ。

S原:面倒なので、省略しますが、メインコンピューターに辿り着いた主人公は、なぜかダイアナに恋心を抱きます。ロマンチックなピアノのBGMが流れて、主人公とダイアナが良い雰囲気になります。

Y木:…もう好きにしておくれ。

S原:最後は、逃げようとした部下と殴り合いのけんかをします。のんびりとパンチやキックをしているうちに、なんとか部下をやっつけます。そこへ、いきなり金持ち(今回の依頼人)がやってきて、主人公を撃ちます。主人公は金持ちを爆弾で吹っ飛ばします。主人公も瀕死の状態です。ダイアナは主人公を助けようとします。

Y木:それで?

S原:ラストは、夕焼けの湖畔で、主人公とダイアナがデートしていることろで、おしまい。

Y木:そのラスト…意味わからんぞ。

S原:たぶん、ダイアナが主人公を人工的に救った(AIにした?)という意味やと思う。まあ、よくわからんかったわ。

Y木:なんだかなあ。

S原:さーみなさん。決して面白くはないですが、DVDパッケージをいて想像するほどの低レベルではありません。アクションやサスペンスではなく、中国女性と白人男性の雑談を楽しむ映画と割り切れば、十分に楽しめますよ。セコムと契約する前に、この映画を観て勉強ですよ!