あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!アイ・アム・レジェンドじゃなくて「アイ・アム・オメガ」(2007)の巻

アイ・アム・オメガ [DVD]

S原:今回は、「アイ・アム・レジェンド」の便乗映画!

Y木:パッケージがダサすぎる…

 (あらすじ)

絶滅の危機に瀕した世界で、数少ない生存者のひとりである男が地球を救うべく闘う姿を描いたアクション。謎のウィルスが蔓延し、多くの人間が異形と化した地球。家族を失ったレンチャードは、ある生存者からのSOSを受け、救い出そうと立ち上がるが…。

 

S原:ぼく、世界にたった一人で残される設定の映画が、大好物やねん。

Y木:あーおまえ、好きそうやなあ。

S原:かなり観ているけど、意外とアタリが少なくてな、ちょっと残念やな。

Y木:今回もバッタもん映画やな。

S原:というか、「アイ・アム・レジェンド」(2007)と原作は同じ(リチャード・マシスン)やから、他の便乗映画とはちょっと違うかな。ぼくは「アイ・アム・レジェンド」は、そんなに感心しなかったから、あれよりも出来が良いかもしれん。

Y木:えーそれは言い過ぎやろ。

S原:うん、言いすぎた(笑)でも、悪くない。色調を抑えて終末感をだそうと工夫しているし、無人の荒廃した雰囲気もよくでていると思う。ただ、いかんせん製作費が……(笑)

Y木:チープなんや。

S原:ゾンビメイクも頑張ってるし、無人の風景も工夫して撮っている。だけど、残念ながらハリウッド大作みたいには撮れないから。例えば、大都会にひとりぼっちで歩く姿を超ロングで撮るとかは出来ない。そこは可哀そうかも。

Y木:なるほどな。

S原:でも、この映画では他のB級映画とちょっと一味違うねん。

Y木:へえ。どこが一味違うの?

S原:いわゆる「説明」が、ほとんどないねん。

Y木:ほー、映画の設定とかの説明がないってこと?

S原:そうそう。B級映画では、とくに説明的なセリフが多かったりするやろ?

Y木:そのわりに説得力がないけどな。

S原:モテない男が、ペラペラと中身のない話をするのと一緒やな。

Y木:それ、おまえのことやん。

S原:そうかあ…だからモテないのかあ…(遠い目)いやいや、それはええねん。この映画では、なぜ街がこんな荒廃しているのか?なぜゾンビがいるのか?なぜ主人公だけ生き残っているのか?そもそも主人公は、なにをしようとしているのか?すべて省略してます。無駄なものをバッサリと切り落とたるで~という潔い姿勢やな。

Y木:あー、そういうの好きかも。意外と面白そう。

S原:それが長所。なんやけど同時に短所にもなっている。

Y木:そうなんや。

S原:やっぱり観ていて説明不足に感じたりするし、あっさりしすぎているというのか淡々とすすんで、なんとなく話が進んで、なんとなく話が終わってしまう。え、もう終わり?って感じでジ・エンド。映画作りはやっぱり難しいと思ったで。

Y木:淡泊なんや。生き残ってしまった人間の悲哀はないのね。

S原:まったくない(笑)さっきも言ったけど説明をしないのはええとして、ところどころ「ん?」と思う点もあるねん。たとえば、主人公が男性2人組(元軍人?)と会うねんけど、ひさしぶりの人類との出会いやから驚いたり喜んだりするはずやろ?だけど、なぜかいきなりケンカする。たしかに男性2人組は悪役というか嫌な奴らなんやけどな。数少ない人間同士やから協力すればええのに(笑)

Y木:それはいえる。

S原:その一方で、ある日、見知らぬ女性からのテレビ電話がかかってくるねんけどな。このときは、主人公はイスから転げ落ちるくらい驚く(笑)どうもリアルさと漫画チックな面白さのバランスが上手くいってなくて、ちょっと居心地が悪いまま話が進んでいく。この女性は、犬顔なんやけどな。個人的には、猫顔のほうが好きやな。

Y木:知らんがな。犬顔でも猫顔でもええわ。

S原:ちょっと面白いのは、 至近距離から銃をうつとゾンビの返り血を浴びるやろ?どうもそれがヤバいという設定で、ゾンビを撃った後、一生懸命に顔や体を拭くねん(笑)

Y木:リアルというよりも、なんか地味やなあ。

S原:なんだかんだあって、LAにいる女性を助けに行くことになる。

Y木:なんで助けに行くの?

S原:この女性は、特殊体質でウィルスに対する抗体を持っているらしい。この女性からワクチンを作ることが出来る、というわけやな。

Y木:未来の人類のために!やな。

S原:いや、主人公は何も考えてない。たぶん、相手が女性やから助けに行ったんとちゃうかな。下心丸出しの助やな。

Y木:最低やん。

S原:それで目的地のLAには時限爆弾が仕掛けられているねん。タイムリミットのあいだに女性を救出するのが間に合うのかどうか?もちろん間に合って、女性と熱いキッスをしておしまい。これから、たった2人で終末世界をどうやって生き延びるのか?という不安を全く感じさせずに、ハッピーエンド!もちろん、ワクチンの伏線なんかでてきませぬ!

Y木:なんかなあ…まあ、それはええとして、なんでLAに時限爆弾が仕掛けられてるの? 

S原:このへんも説明がないからよくわからんけど、主人公がしかけてる。たぶんゾンビの巣窟になっているから、爆弾で一網打尽にやっつけるということちゃうかな。

Y木:なんか強引な設定やな。

S原:でも面白かったで。あとは監督の好きなエッセンスに、自分の好みが合うかどうかとちゃうかな?

Y木:エッセンスって?

S原:カンフーやな。

Y木:カンフーって(苦笑)

S原:主人公は、ゾンビをヌンチャクやらまわし蹴りでやっつける。途中で、主人公が「もう怒ったど!」って感じで、シャキーン!とヌンチャクをだす。この場面が、すごく嬉しそう(笑)

Y木:あー、こういうのが撮りたかったんやろうな。

S原:もう中学生魂まるだし。だいたい男子中学生は、ゾンビ、カンフー、女性のシャワーシーンが、昔からの大好物トップ3やからな。

Y木:ちゃうわ。

S原:さーみなさま。頑張れば、もう少し面白くなりそうな映画ですが、まあまあの出来です。地球最後の1人になったときの予習もしておいてください。地球が滅亡する前に、見つけたらすぐにゲットですよ~!