あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「恐怖新聞」(2011年)の巻

Y木:恐怖新聞!なつかしいなー。

S原:昔、子供たちを怖がらせたあの漫画の映画化ですよ。

 (あらすじ)

怪奇現象研究同好会に所属する鬼形経(真司郎)の部屋に、ある夜突然謎の新聞が届く。「購読料は1年分の寿命」という文字とともに掲載されていたのは、同級生が殺されるという記事。半信半疑の鬼形だったが、その記事通りの事件が起こった。驚愕する鬼形のもとに新たな新聞が届く。そこには同じ同好会メンバー雨宮しずく(近野成美)が人形に呪い殺されるという見出しが。親友の永森(相馬圭祐)とともに、なんとかそれを阻止しようとする鬼形。果たして恐怖の連鎖を断ち切ることができるのか?鬼形の命を賭けた戦いが始まる!

 

Y木:作者は、つのだじろうやろ。「うしろの百太郎」もこの人やな。

S原:当時はオカルトブームがあったからな。漫画を読んだときはむちゃくちゃ怖かったー!実は今みると大したことないんやけどな。

Y木:あの絵がなー。なんともいえんねんなー。

S原:上手くはないけど、なんか奇妙な感じやねんな。楳図かずおとか山岸涼子とかもそうやろ。メチャクチャ上手くないけど、なんだか怖いという(笑)

Y木:それで、この映画はどうやった?

S原:結構、おもしろかった!

Y木:へえ、意外。

S原:うん。ちゃんと出来ているし単純におもろいよ。

Y木:漫画のまんま?恐怖新聞が主人公のもとに届く、という…

S原:そうそう。漫画のニュアンスも残そうとしていて、そこも良かった。ちゃんと、主人公の友人たちは「怪奇現象研究同好会」やしな(笑)いまどきこういう同好会があるかどうかはわからんけど、こういうのが好きな連中やから、主人公に恐怖新聞が届いても、なんとか対策しようと手伝ってくれるわけやな。

Y木:たしか恐怖新聞は、自分以外の人は読めないという設定やろ?

S原:その通り。恐怖新聞は他人がみても真っ白やねん。あと何といっても、新聞を読むと寿命が縮まる、という設定がナイスやな。ちなみに、原作では1回読むと100日、この映画では1回読むと1年縮まります。

Y木:1年!大きいな。

S原:途中で、見出しだけ読むと寿命は、縮まらないというルールをみつけるんやけどな。でも見出しだけでは不十分で、中身を読まないと(友人を)助けることが出来ないというジレンマもあるねん。

Y木:へえ。結構、考えられてるなあ。それでどう?怖いの?

S原:そうねえ、怖くはない…かな。でも、子供がみたら今のJホラーとは雰囲気が違うから、怖がるかもしれん。

Y木:こういう映画は製作費は少ないやろ。チープなんとちゃうの?

S原:たしかに登場人物は少ないし、撮影に苦労してるのはわかる。けど、チープな感じもしない。例えば、夜の神社に人形を捨てに行く場面があるんやけどな。ごまかさずにちゃんと現地でロケしているし、途中で雨が降ったりして、かなり頑張って工夫して良い雰囲気を出しています。

Y木:そうなんや。

S原:意外と演出がスマートやねん。まず台詞がすごく少ない。当然、下手な映画特有の説明的な台詞がないから、違和感なく観れる。役者たちの表情や動きで、観客がストーリーを理解するような演出で、ここは上手いと感心したで。

Y木:ほう。ホラー映画やし、それはええかもな。

S原:あと主人公が、皮肉でなくイケメンでないのが良いねん。あと主人公の声がいい。

Y木:新聞配達のシーンはどうなん?

S原:たしか漫画では窓からバサバサと飛んできたようにおもうけど、映画ではドアの投函口にドンッと差し込まれる。恐怖新聞が配達される直前に、主人公は耳鳴りがするねん。『キーーーーン』ときて、来るで……来るで……と思ったところに『ドオォォン!!!』いやー、心臓に悪いっ(笑)

Y木:ラストは?

S原:このブログではネタバレ全開やけど、これは言わないほうがええかな。レンタル店にも置いてあるかもしれんし、ぜひ観てほしいから。

Y木:今回はおススメみたいやな。

S原:うん。気軽に楽しめると思う。軽いどんでん返しが2回あるしな。

Y木:はー…それにしても久々におススメやと思ったら、「恐怖新聞」とはなー(苦笑)

S原:さあ、みなさん。古い漫画が題材で、どことなくアナログが雰囲気が漂っていますが、何度も言いますが悪くないです。ワゴンで見つけたらぜひ購入を検討してくださいませ!