あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「リーサルドーズ」(2003年)の巻

リーサル・ドーズ [DVD]

 

S原:今回はこれです。
Y木:うわー…

(あらすじ)
人造兵器と人間との死闘を描いたSFサバイバルホラー。人体実験の被験者にされた仲間を救うため、謎の生体実験所に乗り込んだ過激派動物愛護団体の若者たち。しかし、室内のあちこちに仕掛けられた残酷なトラップにより、彼らは次々と命を落としていく。


S原:主人公は女性。主人公には仲間がいて、過激派団体らしい。彼らが、はじめに研究所みたいなところに忍び込むねんけど仲間の一人がケガする。それはええねんけど「罠」にかかってケガをするねん。
Y木:罠?
S原:よく山に置いてあるイノシシとかの足を挟む金具あるやろ?踏板っていうんかな。あれに足を挟まれるねん。
Y木:なんで、そんなもんが研究所にあるねん!
S原:それで「おまえ自分で何とかしてくれ!」「ごめんね♡」と仲間を見捨てて逃げる。これがオープニング。
Y木:最低な出だしやん…
S原:1年後。過激派団体に謎のメールが届きます。どうも暗号のようです。
Y木:暗号?どうやって解読するの?
S原:一番最初の文字を拾ったら、解読できた。
Y木:なんやねん、高校生の恋愛メールか!
S原:暗号を解読すると、ある場所を指していることが分かる。そこはとある研究所です。そして、主人公たちは研究所に侵入します。そこでは動物実験などをしている装置があるねんけど、いかにも怪しい雰囲気満載やねん。やがて、彼らは「やれやれ」と休憩して、大麻をのんびりと吸います。
Y木:なんで、研究所に忍び込んでいるときに、大麻を吸うねん?意味が分からん。
S原:おまけにインド風のBGMでトリップする場面がでます
Y木:やめてくれ~。
S原:そうこうしているうちに、仲間割れをしたり、メンバーの1人から鼻血がでたりします。
Y木:鼻血…
S原:この研究所には謎がありそうだってことでどんどん進んでいきますが、仲間が死んだりして逆に閉じ込められてしまう。研究所が揺れたりみんなが耳鳴りを感じたり、どんどん追い詰められていきます。そして、鼻血がでます。
Y木:また鼻血…
S原:やがて仲間の1人が、なにかに襲われます。助けることが出来るのに、ドアの向かうにいる仲間を見捨てる主人公たち。
Y木:なんで助けへんの?
S原:「いま、助けに言ったらおれたちまで死んじゃうだろ!」と逆切れするねん(笑)。それに襲われてるやつは、仲間内でもいまいち人気のない奴やから。
Y木:ごっつい勝手な理由やなー。
S原:あとの場面で「あいつが死んだのは自業自得だわ」と主人公がつぶやきます。それを聞いた仲間も「そうだよな」「おれたちは悪くないよな」「はじめから、あいつはヤバいって思ってたんだ」と自己正当化します。
Y木:子供か。
S原:やがて、なにかに襲われるような気がした主人公たちは、逃げます。ところが逃げ場所を失います。ここでクイズです。追い詰められた主人公は何をするでしょーか?ヒントは「逃げ道をさがす方法」です。
Y木:クイズ…めんどくさいなあ(苦笑)えー、どうでもええけど…研究所のPCから平面図をチェックするとか?
S原:ブー!外れー!
Y木:なんか腹が立つな。
S原:正解は……「念仏を唱える」でした!主人公は真剣な顔でつぶやきます。「南無妙法蓮華経…南無妙法蓮華経…」えーとですねえ、突っ込まれる前にいいますが、これはほんまです!
Y木:うわー…
S原:仲間の一人は「やめてくれよ。縁起でもない」と突っ込みます。
Y木:そりゃそうや。
S原:でも、あーら不思議「南無妙法蓮華経…」と唱えたおかげで、逃げ道がみつかります。
Y木:念仏を唱えて脱出口がみつかる…?うそやろ…
S原:何度も言いますが、ほんまやねん。
Y木:それで脱出できるの?
S原:できません。念仏のおかげでわかった逃げ道をすすんでいくと、行き止まりでした。主人公は小さな声で言います。「…ごめん…」。
Y木:間違った道をおしえるって、ありがたみのない念仏やなあ。
S原:あと、言い忘れてたけど、こいつら動物保護団体やねん。
Y木:あー…そう…
S原:もう省略して話を進めると、仲間はどんどん殺されていく。SMの道具みたいな器具に捕まって、宙づりにされてる仲間もいます(笑)

Y木:SM器具に捕まるって…どこまでショボいヤツや。

S原:この研究所には、どうも襲ってきている奴らがいるらしい、そいつらの姿は見えない、ということが分かってくる。
Y木:見えないんや?
S原:うん。だから俳優たちがキョロキョロするだけ。「どこだ?」「あっちか?」って。
Y木:ドリフやがな。
S原:やつらは電気を伝ってやってくるらしい、と分かる。ちなみに、なぜ「電気を伝ってる」と理解したのか、という説明はありません。
Y木:もうええわ。しんどくなったから、ラストを教えて。
S原:ラストは、主人公が水槽に隠れているときに襲われます。水槽にはなぜか湯気がでていて、温泉に浸かっているようにしかみえません。
Y木:温泉って。
S原:そしてなんと!いままで襲ってきたのは、最初に見捨てた仲間でした!(ちゃんと観てないからわかりませんが、たぶんそう)主人公は、必死で風呂に引きずり込んで、やっつけます。そして、主人公は生き残った仲間(男)の1人と一緒に研究所を脱出します。なぜかそこは広大な湖です。たくさんの仲間が死んだのに「家に帰りましょ♡」「ここからは2人っきりよ♡」とのんびりとボートをこぐふたり。まるでデート(笑)
Y木:仲間がたくさん死んだのにデート…
S原:そして、そのころ研究所に残されたSM器具でぶら下がっているオジサンが、ガオーッと怖い顔をして、おしましい。
Y木:SM器具のオッサンは、そのまま放置?

S原:はい。SM&放置プレイです。

Y木:おもろいないねん。大体わかったけど、なんかいかにもB級って感じやな。ところでジャケットにあるような女性アンドロイドみたいな怪物は?
S原:まったく出てきません。
Y木:これっぽいのも出ない?
S原:でません。
Y木:ジャケットには「目覚めよ、人造戦士」と書いてるやん。
S原:目覚めません。
Y木:そこまで堂々とウソのジャケットやと、いっそすがすがしいよな。
S原:うん、これでええねん。こういう映画は観た人が「負け」やねん。はじめから負け戦とわかっていて、戦うこの身の哀しさよ…まさに哀・戦士
Y木:おまえが好きで観てるんやろ!
S原:さあ、みなさん。B級映画の中でもかなり薄味です。そしてまったく面白くありませんが、途中の念仏のシーンは見どころです。SM器具に宙づりにされる、汚らしい中年男に興味がある人もぜひどうぞ!