あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「コイ☆セント」(2010年)の巻

 

 

Y木:今回はアニメ?

S原:そうです。一般には知られていないこの作品について話しますよ。

 

 (あらすじ)

遷都2000年祭を迎える奈良。修学旅行で奈良を訪れていた高校2年生のシンイチは、突如現れた白いシカにカバンを奪われてしまう。シカを追う途中、何者かに追われている謎の美女トトを助け、ひょんなことから二人で名所巡りデートをすることに。しかし、トトを追っていた連中に見つかってしまい…。奈良を舞台に描かれたスーパーSFラブコメ!

 

Y木:なにこれ?ラブストーリー?

S原:そうなんやけど、これは奈良県による、奈良県のために、奈良県観光をしてもらうための作品やねん。

Y木:奈良県の宣伝DVDってことな。

S原:そうなんやけど、それにしてはクオリティが高すぎて笑ってしまう(笑)

Y木:あー結構面白いんや?

S原:面白い。SFラブコメというかジュブナイルものってあるやん。少年が、ちょっと不思議な現象に巻き込まれて、淡い恋をする…。中学男子は誰もが通る、甘酸っぱい通過儀礼というか。

Y木:甘酸っぱい…かあ。まあ、おれにはそういう経験はないけど。

S原:えーあなた、思春期なかったんか?

Y木:あったけど、そんなSF設定の恋愛には、べつに心ときめかんかったな。

S原:えーSF的な美少女がでてきて、ドタバタ冒険に巻き込まれるって男子の憧れやん。ぼくなんか、何回妄想したことか(笑)当時のぼくの妄想パターンを言うと…

Y木:おまえの妄想はもうええ。要するに、これはそういう映画なんやな。

S原:これは、平城遷都1300年を記念して作られたらしい。

Y木:奈良県からの依頼で製作されてってこと?

S原:たぶんそうやと思う。サンライズ荻窪スタジオが製作したんやけど、なんか調子が良かったのか、ものすごく完成度が高い。

Y木:映像のレベルってこと?

S原:そうやねん。まず映像がすごく良い。西暦2710年が舞台やから、街並みはブレードランナー的なSF風景なんやけど、今の奈良の有名なスポット(歴史建築物、寺院、奈良公園など)と共存してて面白いねん!

Y木:へー。

S原:奈良名物の鹿もたくさんでるで、鹿。見たいやろ?

Y木:べつに鹿を見たいとは思わんけどな。

S原:またまた無理しちゃって~!

Y木:なんやねん、今回はテンションが高いな。

S原:いやー期待してなくて観たら意外と面白いっていう映画にあたると、テンションは上がるで。

Y木:普段、観ている映画のクオリティが低すぎて、まともなレベルにあたっただけとちゃうの?

S原:ああ、そうかもね!でもええやん。

Y木:まあ、おまえがええんやったら、それでええけどな(苦笑)

S原:映像の話に戻すと、街の風景は凝りすぎて、というか描き込みすぎてゴチャゴチャしてて、脳内で消化できないくらいスゴイ(笑)こういうのが好きな人にはたまらんと思うで。

Y木:アニメファンとか喜びそうやな。

S原:うーん、どうなんやろ。アニメファンがどんな評価をしているかはわからんけど。

Y木:ストーリーは?

S原:典型的なボーイ・ミーツ・ガールやな。もう胸キュンの典型やで(笑)九州(たぶん博多)から修学旅行にきていた普通の男子高校生(主人公)が、たまたま謎の美女トト(本名は、倭迹迹日百襲姫命)を助ける。このトトは、謎の組織に作られたサイボーグ(?)らしくてな。組織から逃げ出したところで、主人公と出会うねん。この美少女を追いかけてきた謎の組織から、逃げるために、主人公と美少女は奈良の各地、というか観光地を逃げ回る…

Y木:分かりやすいな。

S原:これは、それでええと思うで。組織側のキャラがどっかでみたことのある風貌やねんけど、まあそこは目をつぶるわ(笑)この美少女に淡い恋を抱きながら、一緒に逃避行をする主人公が良いねん。美少女も結構ぼく好みで、かわいいねん。

Y木:おまえ、ええ年したおっさんやろ。きもいわ。

S原:サンキュー。でも、ほんまに奈良の見どころ満載やねん。だって、あの東大寺の大仏が立ち上がるねんで。

Y木:だからなんやねん。

S原:いままで、大仏が立ち上がったことないやろ!

Y木:アニメや、アニメ!

S原:あー夢のないやっちゃ。

Y木:ほっとけ。それで、どうなるの?

S原:結局、トトは組織につかまってしまう。ここも仁王像(?)に乗って、追いかけてくるとか奈良テイスト満載です(笑)

Y木:よくわからんけど。ラストは?

S原:離ればなれになって落ち込む主人公。街ではパレード(遷都のお祝い行事?)が行われてます。あ、神輿の上にトトが乗っているのを発見。「トト~!」と叫んで、トトも主人公に気付きます。主人公とトトが再会して、抱き合っておしまい。ほんまに、よかったわ~2人が再会できて~!

Y木:思いっきり感情移入してるやないか。

S原:いやほんまに、瑞々しいというか清々しい映画なんやって!

Y木:瑞々しいとか清々しいという表現を使うところが,おっさん臭いわ。

S原:あーぼくも奈良に行きたいなあ。ええところやで、あそこは。

Y木:おまえ、思いっきり感化されてるやないか。

S原:今度、大学時代の友達を集めて一緒に奈良旅行しようで。あ、でも途中でぼくだけ別行動になるかも、ね。

Y木:なんで?

S原:だって、謎の美少女と出会うかもしれへんやん、むふっ♡

Y木:……1人で奈良に行ってくれ。

S原:さあ、みなさん。これは意外な拾いものです。25分しかありませんから、あっという間ですが、映像も物語もギュッと凝縮されています。アニメみたいな美少女とハプニング的に出会うことを、毎日期待しているあなた!そんなあなたは、マストバイですよ!