S原:今回はこちら。男が燃える「ジェット機と翼竜が戦う映画」ですよ!
Y木:燃えへんやろ、べつに…
(あらすじ)
米軍ハイテク戦闘機と翼竜レプティザウルスのスカイ・バトルを描いた空前絶後のアクション大作。南太平洋に浮かぶ謎の孤島。そこでは、極秘任務で派遣された特殊部隊が次々と消息を絶っていた。海兵隊のドーソン少佐と、島に漂着したジェイソンたちは恐るべき怪物に遭遇。それは米軍のバイオ実験が生んだ、究極の殺戮兵器だった…。
S原:まあ、今回は予告編を観てよ。B級やけど、だれが観ても戦闘機が翼竜と闘う映画やと思うやろ?
Y木:そやな。
S原:ところが、そんな場面は、はじめの2分くらいやねん(笑)そのあとは、島の中でのんびりとウォーキングする映画やった。
Y木:全然わからん。もっと、分かるように言ってくれ。
S原:まずオープニングでは、ちゃんとジェット機が翼のついた怪物(翼竜)と戦うねん。もちろん、やられてB級ならではの炎につつまれて、撃墜されるねんけど(笑)次の場面では、軍人が2名でてきます。顔に不自然なくらいの迷彩を塗っていますが、それはええとして、どうも翼竜から逃げてるみたいやねん。「おれたちもやられるぞ」「早く逃げよう」と言っているあいだに、翼竜に頭から食べられてしまう。
Y木:なんかメリハリがない展開やなあ。
S原:場面は変わって、民間人5人がある孤島に漂流しています。黒人男子、アジア系男子、白人女子3人です。この5人がこの島で翼竜と遭遇するって話やな。
Y木:ふーん…あんまりおもしろくなさそう…(苦笑)
S原:まあな。でも注目ポイントというか、監督のこだわりポイントがあるねん。まず、すごくセリフがスローやねん。
Y木:セリフがスロー?
S原:なんか知らんけど、みんなゆっくりと喋るねん(笑)やっぱり、「現代社会は時間に追われすぎている。もっと、のんびりと生きようぜ!」という監督からのメッセージやろうか。
Y木:サスペンスが大事な映画なんやから、スピーディーでないとあかんやろ。
S原:あと、とにかく3人の白人女性の胸がでかい(笑)しかもピタピタの服で胸を強調しています。
Y木:あーお約束の「脱ぎ」のシーンもあるんやな。
S原:いや、なかった。
Y木:なんやねん、ちゃんと脱げよ!別にみたいわけじゃないけど。
S原:漂流した後、迷彩色の顔の軍人2人が登場して、主人公グループと合流する。この軍人たちは、翼竜を倒すという極秘ミッションのために島に来たのよ。
Y木:翼竜を倒すのに、2人だけ?
S原:うん。だって、司令部も2人しかいいないもん(笑)主人公たち5人と、軍人2人が翼竜を警戒しながら(銃を空に向けながら)、ゆったりと歩く場面が体感で30分ほど続きます。
Y木:うわーだるいなあ。
S原:全体的にのんびりとサバイバルゲームをしているようにしかみえないけど、本人たちが楽しんでるんだから良いよな。
Y木:良くないわ。肝心の怪物はどんなの?
S原:むかしのギリシャ神話のドラゴンみたいな感じ。デザインはまあまあかな。ちょっと気になるんは、主人公たちが空から襲ってくる翼竜に銃を向けるんやけど、微妙に方向が違うねん(笑)
Y木:そりゃ撃っても怪物には、あたらんわ。
S原:まあそういうところも、のんびりムードでええよ。「まあまあ、細かいこと言わなくてもええがな。あくせく生きずに、毎日の生活を楽しもうぜ」みたいなメッセージやろうな。
Y木:いや、映画を観てる間は、まず映画を楽しませてくれよ。
S原:セリフも微妙にかみ合ってないねん。主人公たちと軍人が、必死で翼竜と戦っている最中のセリフ。主人公「怪物をやっつけたのか?」軍人「おまえはどうだ?」主人公「いや、殺してない」軍人「だったら、まだ奴は生きているじゃないか!(怒)」
Y木:軍人のくせに民間人に逆切れかい。
S原:あと登場人物がいちいち自分がやられたことを説明するねん。「攻撃された」「やられたぞ」「もうダメみたい」は、まだええとして、「肋骨が折れたわ」「腕をケガしたわ」「背中をやられた」(笑)
Y木:なんで、いちいちやられた部位を説明するねん(笑)
S原:そのころ、2人しかいない軍の司令部では、司令官がウイスキーをチビチビと呑んでいます…
Y木:勤務中やろ。
S原:そして、司令官は意味ありげにニヤリ…
Y木:意味が分からんぞ。
S原:観ているほうがもっとわからんわ!
Y木:なんで、おまえがキレてるねん。
S原:じつは島には研究所があって、みんなはそこに向かうねん。その研究所で秘密裡に「新型兵器」を作ってたんやな。それが、この翼竜ってわけね。研究所も翼竜にやられててメチャクチャやねんけど、唯一生き残った女性研究者が、いろいろと説明してくれる。『遺伝子操作ですごい生物をつくったけど、逃げちゃった♡めんごネ♡』
Y木:めんごネ♡、じゃねえ。なんや、そのざっくりとした説明は。
S原:ほんまにこんな説明やねんって(笑)
Y木:軍の新兵器やのに、まっさきに軍人を襲うって…初期設定から間違ってるやん。結局、戦闘機は最初にでるだけ?
S原:最後にもでるよ。どこかから借りてきたジェット機の記録映像が出る(笑)でも、べつに翼竜とは戦わへんで。そのかわりに、島を攻撃する。
Y木:あかんがな。民間人もおるのに。ラストは?
S原:軍人が、爆弾を投げて怪物はバラバラになる。怪物の破片が、ブタ肉みたいに軍人にふりかかって、みんなが嫌な顔をして、おしまい。
Y木:ブタ肉って。
S原:とにかく、すべてが中途半端やった。そもそも、せっかくのデカパイなのにそれを生かす術もない。だったら、デカパイを3人も登場させなくてよかったと思うけどな。あの「グリズリーパーク」では、ちゃんとデカパイである意味が伏線になってたやろ?
Y木:マイナス97とマイナス98を比べても、おれにはコメントできない。
S原:あ。あと最後のクレジットは、超かっこいい感じのストップモーション画像で、キャスト紹介するけど、ここも超ダサい…(ため息)それにしても、このDVDパッケージを作った人は天才やわ。だって、こんな場面がないのに、すごく面白そうにみえるやん。一体この表紙で何人が騙されたのか…?
Y木:まあ、おまえもその1人やけどな。
S原:さあみなさん、ドラゴンと戦闘機が戦わなくても平気な人、軍人に仮装したオッサンとボイン・ギャルがのんびりと歩くような映画が好きな人、ドキドキハラハラもない戦いの映画を愛おしく感じる人、そんな人はマストバイですよ!本当にワゴンコーナーでありそうなので、探してくださーい!
Y木:探すか!