あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「スカイ・ファイター」(2008年)の巻

スカイ・ファイター [DVD]

 

S原:今回はこちら。男が燃える「ジェット機翼竜が戦う映画」ですよ!

Y木:燃えへんやろ、べつに…

 

(あらすじ)

米軍ハイテク戦闘機と翼竜レプティザウルスのスカイ・バトルを描いた空前絶後のアクション大作。南太平洋に浮かぶ謎の孤島。そこでは、極秘任務で派遣された特殊部隊が次々と消息を絶っていた。海兵隊のドーソン少佐と、島に漂着したジェイソンたちは恐るべき怪物に遭遇。それは米軍のバイオ実験が生んだ、究極の殺戮兵器だった…。 

 

S原:まあ、今回は予告編を観てよ。B級やけど、だれが観ても戦闘機が翼竜と闘う映画やと思うやろ?

Y木:そやな。

S原:ところが、そんな場面は、はじめの2分くらいやねん(笑)そのあとは、島の中でのんびりとウォーキングする映画やった。

Y木:全然わからん。もっと、分かるように言ってくれ。

S原:まずオープニングでは、ちゃんとジェット機が翼のついた怪物(翼竜)と戦うねん。もちろん、やられてB級ならではの炎につつまれて、撃墜されるねんけど(笑)次の場面では、軍人が2名でてきます。顔に不自然なくらいの迷彩を塗っていますが、それはええとして、どうも翼竜から逃げてるみたいやねん。「おれたちもやられるぞ」「早く逃げよう」と言っているあいだに、翼竜に頭から食べられてしまう。

Y木:なんかメリハリがない展開やなあ。

S原:場面は変わって、民間人5人がある孤島に漂流しています。黒人男子、アジア系男子、白人女子3人です。この5人がこの島で翼竜と遭遇するって話やな。

Y木:ふーん…あんまりおもしろくなさそう…(苦笑)

S原:まあな。でも注目ポイントというか、監督のこだわりポイントがあるねん。まず、すごくセリフがスローやねん。

Y木:セリフがスロー?

S原:なんか知らんけど、みんなゆっくりと喋るねん(笑)やっぱり、「現代社会は時間に追われすぎている。もっと、のんびりと生きようぜ!」という監督からのメッセージやろうか。

Y木:サスペンスが大事な映画なんやから、スピーディーでないとあかんやろ。

S原:あと、とにかく3人の白人女性の胸がでかい(笑)しかもピタピタの服で胸を強調しています。

Y木:あーお約束の「脱ぎ」のシーンもあるんやな。

S原:いや、なかった。

Y木:なんやねん、ちゃんと脱げよ!別にみたいわけじゃないけど。

S原:漂流した後、迷彩色の顔の軍人2人が登場して、主人公グループと合流する。この軍人たちは、翼竜を倒すという極秘ミッションのために島に来たのよ。

Y木:翼竜を倒すのに、2人だけ?

S原:うん。だって、司令部も2人しかいいないもん(笑)主人公たち5人と、軍人2人が翼竜を警戒しながら(銃を空に向けながら)、ゆったりと歩く場面が体感で30分ほど続きます。

Y木:うわーだるいなあ。

S原:全体的にのんびりとサバイバルゲームをしているようにしかみえないけど、本人たちが楽しんでるんだから良いよな。

Y木:良くないわ。肝心の怪物はどんなの?

S原:むかしのギリシャ神話のドラゴンみたいな感じ。デザインはまあまあかな。ちょっと気になるんは、主人公たちが空から襲ってくる翼竜に銃を向けるんやけど、微妙に方向が違うねん(笑)

Y木:そりゃ撃っても怪物には、あたらんわ。

S原:まあそういうところも、のんびりムードでええよ。「まあまあ、細かいこと言わなくてもええがな。あくせく生きずに、毎日の生活を楽しもうぜ」みたいなメッセージやろうな。

Y木:いや、映画を観てる間は、まず映画を楽しませてくれよ。

S原:セリフも微妙にかみ合ってないねん。主人公たちと軍人が、必死で翼竜と戦っている最中のセリフ。主人公「怪物をやっつけたのか?」軍人「おまえはどうだ?」主人公「いや、殺してない」軍人「だったら、まだ奴は生きているじゃないか!(怒)」

Y木:軍人のくせに民間人に逆切れかい。

S原:あと登場人物がいちいち自分がやられたことを説明するねん。「攻撃された」「やられたぞ」「もうダメみたい」は、まだええとして、「肋骨が折れたわ」「腕をケガしたわ」「背中をやられた」(笑)

Y木:なんで、いちいちやられた部位を説明するねん(笑)

S原:そのころ、2人しかいない軍の司令部では、司令官がウイスキーをチビチビと呑んでいます…

Y木:勤務中やろ。

S原:そして、司令官は意味ありげにニヤリ…

Y木:意味が分からんぞ。

S原:観ているほうがもっとわからんわ!

Y木:なんで、おまえがキレてるねん。

S原:じつは島には研究所があって、みんなはそこに向かうねん。その研究所で秘密裡に「新型兵器」を作ってたんやな。それが、この翼竜ってわけね。研究所も翼竜にやられててメチャクチャやねんけど、唯一生き残った女性研究者が、いろいろと説明してくれる。『遺伝子操作ですごい生物をつくったけど、逃げちゃった♡めんごネ♡』

Y木:めんごネ♡、じゃねえ。なんや、そのざっくりとした説明は。

S原:ほんまにこんな説明やねんって(笑)

Y木:軍の新兵器やのに、まっさきに軍人を襲うって…初期設定から間違ってるやん。結局、戦闘機は最初にでるだけ?

S原:最後にもでるよ。どこかから借りてきたジェット機の記録映像が出る(笑)でも、べつに翼竜とは戦わへんで。そのかわりに、島を攻撃する。

Y木:あかんがな。民間人もおるのに。ラストは?

S原:軍人が、爆弾を投げて怪物はバラバラになる。怪物の破片が、ブタ肉みたいに軍人にふりかかって、みんなが嫌な顔をして、おしまい。

Y木:ブタ肉って。

S原:とにかく、すべてが中途半端やった。そもそも、せっかくのデカパイなのにそれを生かす術もない。だったら、デカパイを3人も登場させなくてよかったと思うけどな。あの「グリズリーパーク」では、ちゃんとデカパイである意味が伏線になってたやろ?

Y木:マイナス97とマイナス98を比べても、おれにはコメントできない。

S原:あ。あと最後のクレジットは、超かっこいい感じのストップモーション画像で、キャスト紹介するけど、ここも超ダサい…(ため息)それにしても、このDVDパッケージを作った人は天才やわ。だって、こんな場面がないのに、すごく面白そうにみえるやん。一体この表紙で何人が騙されたのか…?

Y木:まあ、おまえもその1人やけどな。

S原:さあみなさん、ドラゴンと戦闘機が戦わなくても平気な人、軍人に仮装したオッサンとボイン・ギャルがのんびりと歩くような映画が好きな人、ドキドキハラハラもない戦いの映画を愛おしく感じる人、そんな人はマストバイですよ!本当にワゴンコーナーでありそうなので、探してくださーい!

Y木:探すか!