あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「パズル」(2017)の巻

パズル(洋画)

S原:今回は、こちらです!

Y木:「驚異の37冠」ってパッケージに書いてあるぞ。賞レース総なめってこと? 全然聞いたことない映画やけど。

 

 

(あらすじ)

アレックスは、恋人のネイサンに誘われ、ホラー映画ファン向けのミステリー・ツアー「切り裂きキャンプ」へ行くことに。集まったのは、脱出ゲーム経験者のカップル、ホラー映画マニア、無口な男の計6名。彼らを前に主催者は、ルールの説明を始める。
1どんな命令にも従うこと 2リタイアしたくなったら合言葉を叫ぶこと 3私物は没収 4反撃は厳禁 5制限時間36時間。そして、勝者への報酬は「命」だと宣言し、誓約書にサインを迫る。その後、黒頭巾をかぶされ拉致されたアレックスたちは、スタート地点と思われる森の中で解放される。そこには、アルファベットが書かれたパズルのようなものが。この謎を解いていくのか?しかしその後、ルール違反した仲間が実際に殺されてしまい…。2017年製作(アマゾンより引用)

 

Y木:この説明文、わかりにくいなあ…

S原:いわゆる生き残り系映画というか脱出サバイバルものっていうんかな。

Y木:「〇〇しないと1時間で死ぬ」とか「この謎を解かないと、恋人を殺される」みたいな感じ?

S原:基本は同じかな。制作側はそういうハラハラドキドキを狙ったんやろな。要するに、ホラーファン向けのサバイバルゲームを楽しむつもりで参加したやつらが、えらいめに会うってことやねん。

Y木:それってベタやなー。

S原:まあな。でも、映画の出だしはなかなか良い雰囲気やねん。ほとんど人のいない郊外の広いガソリンスタンドで集まるねんけど、参加者のキャラクターがわかりやすいしな。主催者が威圧的なムードで登場して説明が強引に始まって、参加者が戸惑っているあいだに無理矢理ゲームが始まるねん。このへんは、結構展開が速くてワクワクするねん。

Y木:ええやないの。

S原:そっから森に行くんやけどな。そこから一気につまらなくなるねん。

Y木:つまらなくなるのが、えらい早いな(笑)一応、謎解きとかあるんやろ?

S原:あるよ。でも、なんかどれもイマイチで観ているうちにどうでもよくなるねん。よくわからんし。

Y木:謎解きの映画で、謎解きがどうでもええって…終わってるがな。

S原:あと主人公(女性)は、そんなに美人と違うねんけどな。

Y木:ああ、このジャケットの人ね。

S原:いや違います。

Y木:あ、じゃあこの人が犯人?

S原:いや、こんな人は出てこないねん。

Y木:出てこないって…

S原:もしかしたら脇役のパンクな感じの女性かな?と思うけど、似てないから、まあ別人やろな。

Y木:映画に出てこない人が堂々と主役のようにパッケージにでているって…B級映画にしてもすごくないか…

S原:あと、これは大事なことやから、ちゃんと伝えなかんねんけどな。

Y木:なに?

S原:主人公(女性)の体が、ムチっとしてるねん。

Y木:知らんがな。

S原:それで、ピチッとしたズボンを履いた姿を、後ろからカメラが追いかけたりするショットがあるねん。

Y木:盗撮か。

S原:でも不思議とエロくないねんな。

Y木:そういうエロは、だれも求めてないやろ。

S原:マニア向けに、海岸でスポーツブラになるシーンもちゃんと用意されてます。

Y木:だから、要らんねんって。ん?ちょっと待て。ゲームは森の中やったんやろ?なんで海岸?

S原:わかりませんが、いつのまにか海岸で、足にはチェーン(足枷)がはめられています。ここが一番の見どころです。ほかの参加者ともつながれていて、片方が引っ張ると、片方が海にはいってしまいます。

Y木:あ、わかった。どんどん満潮になって、2人のうち1人どっちかしか生き残れない!という設定やな?

S原:いや、とくに波はせまっていません。

Y木:じゃあ、ひっぱらんかったらええやん。2人とも生き残れるやん。

S原:それでは映画になりません。

Y木:なんやねん、設定がおかしいやろ!鎖でつながれて日光浴してるだけやんか。

S原:それでもなんとか仲間と協力して、チェーンを外そうとします。

Y木:ああ、パッケージにあるような椅子にくくられて、ドキドキってシーンやな。

S原:いえ、椅子など出てきません。寝転がったままです。

Y木:…これもウソか。

S原:監督の「表紙には載っているけどさ、べつに椅子がなくてもいいよね?てへっ」という顔が浮かびます。

Y木:てへっじゃねえ。ま、その海岸のシーンでは、なんとか間一髪セーフなんやろ?

S原:いいえ、失敗します。

Y木:えー…

S原:仲間は溺れて死にます。

Y木:納得のいかん死に方やな。

S原:あ。映画の途中でわかるねんけど、主人公はどうもコカイン中毒のリハビリ中みたいやねん。で、その療法士(心理士?)が恋人という設定です。

Y木:ふーん、ドラッグがあとで伏線になるんやな。

S原:いや、とくにはなりません。

Y木:だから、設定がおかしいねんて!

S原:一応、ラストに少し関係するねんけどな。

Y木:ラストは?

S原:まあ、言っていいのかどうか…一応、2段階のどんでん返しやねん。

Y木:おお、「シベリア超特急」みたいやんか。

S原:あっちのほうがダイナミックやで。だって、こっちのどんでん返しは、ゆるい。ちょっと説明すると、①途中で死んだと思った参加者たちが、実は生きていた!→ そしてみんなで笑って「かんぱーい」 → 実は殺されたふりをしていました。 → つまり、遊び(ゲーム)だったのです。 → よかったね。イエー!

Y木:イエーって…その展開って、サスペンスとかミステリーでは夢オチの次にやってはいけないことやろ…

S原:さらにすごいのが、もうひとつのどんでん返し。②ゲームが終わって、主人公と恋人が車で帰ります → なんか変です。 → 実は、車のトランクの中に縛られた元カレがいるのを発見! → しかも、瀕死の状態だわ! → 実は、信頼していたはずの恋人が実は狂人(殺人者?)だったのです!

Y木:すごいな…(呆然)

S原、そのあと、今度は恋人が主人公を殺そうとする → 逆襲して恋人を殺す。

Y木:えー恋人やろ?一緒にキャンプ行ってたんやろ?そいつを殺すの?

S原:うん。わりと、あっさりと殺してたよ。おしまい。

Y木:おしまいって…その2段どんでん返しも、なんか自主映画みたいやな(苦笑)

S原:うん。殺人が実はゲームでみんな生きてましたっていうオチは、そんまんま東の「ビートたけし殺人事件」と一緒で驚くよな。

Y木:なんやねん、そのクソみたいな本は。

S原:まあクソなんやけどな。しかし、無人島に連れていかれて「あの本かこの映画かどってちかを選べ」って、言われたら迷うなあ。

Y木:「5分以内に選ばないと、おまえを殺す」とか言われたりな(笑)

S原:そっちのほうが、よほどサスペンスやなあ。

Y木:なんか今回のオチは落語みたいやな。

S原:というわけで、ムチッとしたお尻の女優が好きな人、びっくりしない感じのどんでん返しが好きな人は、マストバイです!

Y木:パッケージの「驚異の37冠」は、どうなったんや…(ため息)