S原:今回はこちら!
Y木:中国製のパニック映画か…
(あらすじ)
『80デイズ』のカレン・モク主演、ヒマラヤ山脈を舞台に自然と人間の壮絶な闘いを描いた山岳パニックアクション。魔の山“ケラ・スロープ”で夫を亡くした過去を持つ外科医のシャンは、患者のひとりが山岳地帯へ向かったことを知り後を追うのだが…。 (アマゾンより引用)
S原:うーん、結論から言うとイマイチやった。
Y木:まあそうやろ。
S原:いやワゴンセールでも、普通はこんな映画は面白いはずがないってスルーするんやけどな。
Y木:おまえがスルーするなんて。
S原:一応、ぼくなりの基準があるねんで(どや顔)一応、今回は中国映画やからゲットしたのよ。
Y木:いまいちピンとこないけど。
S原:最近のアメリカのB級映画は、スペクタルシーンとかチャチなCGでごまかすやろ。中国の映画なら、そういうことをせずに(スタッフやキャストの)人命をものともせずに、雪の山岳で人海戦術のリアルなロケしてるかなと期待したんや。
Y木:歪んだ期待やなあ。
S原:だって中国共産党の威厳にかかわる問題やで。
Y木:かかわるか!それで、この映画はどうやったんや?
S原:…チャチなCGでごまかしてた(涙)
Y木:どないやねん。
S原:ちゃうねん、ちゃんねん。昔の香港カンフー映画はもちろん、中国本土のアクションものって体を張ってたやろ?「天山回廊ザ・シルクロード」なんか、走っている馬の群れにオートバイがすごいスピードで横転して突っ込んでたやん?
Y木:もちろんおれは、そんな映画は知らんけど、言いたいことは分かる。
S原:この映画は2004年製。それでも、もうスペクタルシーンがCGやねん。中国アクション魂は何処へ。残念やー。
Y木:要するに「中国映画やから、スペクタルシーンがスゴイ」ってことがなかったわけね。
S原:そうやねん、ちょっとガッカリでな。だって、こんな山脈パニック映画はアルバトロス製の映画とかで文字通り、「山ほど」あるから…ね?(ニヤリ顔)
Y木:上手く言ってるつもりか。それで映画は?
S原:まずストーリーが単純なのに、わかりにくいねん。まずチベットの僧侶と女性が山岳地帯で遭難するねん。それを書記官(共産党の偉い人?)が追いかけるねん。さらに、書記官には心臓病の持病があって、主治医(女性)が「手術をうけなさーい」って追いかけるねん。この女医が主人公。
Y木:なんやねん。追いかけっこのコメディ映画かいな。
S原:その人たちが川辺で出会ったときに、鉄砲水があって命からがら逃げるねん。なんとか車で脱出するねんけど、いろいろあって雪山の斜面で車が立ち往生してしまうねんな。
Y木:ふーん。
S原:そのストーリー展開に、ところどころ回想シーンがはいるんやけど、リズムが悪くて混乱するねん。
Y木:そういう映画の場合は、回想シーンとか要らんやろ。どんどん話をすすめないと。
S原:本筋としては、映画の初めに女医の旦那(軍人)が、雪山で遭難死する → 同じ山で今度は自分(女医)が遭難してしまう → そしてそれを助けに友人(同じ軍の同僚)のヘリパイロットが助けに来る→ 友人「今度は、俺が助けるぜ」って感じやねん。
Y木:スタローンの「クリフハンガー」が、そんな感じやったかな。
S原:あれもあんまり緊張感のない映画やったけど、山のシーンはちゃんと撮影してて風景はすごいと思ったで。今回のはな…
Y木:でもやな、おまえはB級映画ってわかって観てるんやろ?それでええやないか。
S原:そうなんやけどな。なんというのかな、可愛げのない映画っていうんかな。
Y木:おまえに可愛がってもらっても、むこうは喜ばん(笑)
S原:いや実は、この映画は息子(高校生)と観たんやけどな。息子はずっとツッコミながら観てたな。「軍人が活躍するのは、共産党に気をつかってるんやわ」とか。
Y木:さすが、おまえの息子。
S原:タイトルは「レッドスノウ」…たしかに、ぼくも思ったわ。だって、このタイトルの意味は『共産党は、白き雪も紅く染めるくらい偉大なり』ということやろ。
Y木:おまえ、毛沢東が生きてたら絶対に怒られてるわ。
S原:ところどころ、ええシーンもあるねんで。ヘリコプターで車を吊り上げるねんけど、強風にあおられてヘリが揺れて、車が崖にぶつかるねん。
Y木:おお。ちゃんとパッケージ通りの場面があるんや。
S原:そのあと、車が雪山の崖面をガガガガガ!と削るねん。車と斜面の間に、軍人が挟まってな。軍人の頭がゴンゴンゴンゴンって崖にぶつかってな。危ないねんでー。
Y木:危ないねんでーて…その軍人は死んでるやろ。
S原:いや生きてた。やっぱり共産党の軍人やから無敵なんやろな。
Y木:やめなさい。
S原:メンバーのなかにチベットの僧侶がおるねんけどな。この人だけ助からんねん。やっぱりこれも、製作者サイドから共産党への忖度とかかな。
Y木:やめなさいって。
S原:あと、最後はヘリコプターが雪山に埋まってしまって絶体絶命やねん。
Y木:おお、どうやって脱出するんや?
S原:いや普通に何回かエンジンをかけたら、脱出出来た(笑)
Y木:なんか、あっさりしているな。
S原:ま、そういう映画やねん。
Y木:今回はあんまりストーリーの説明もしてないけど、ええのか?
S原:ま、今回はええんと違うかな?あんまり悪口言うと共産党のスナイパーに狙われるかもしれんし。
Y木:もう十分やろ。
S原:同志・習近平も、ご覧になられたのやろうな。
Y木:いつのまに同志になってるねん。
S原:さあ、みなさん、アメリカ映画に影響されて、妙に薄い味わいになってしまった中国映画が見たい人はマストバイ!早くしないと中国政府が輸入制限をしちゃうよ!
Y木:するか!